看護師の給料が低い/安いので割に合わないので辞めたい
[著者: 平野雅子 (看護師 /保健師).more..]
看護師の給料は上がらないし、割に合わない!
今現在、給料に満足している看護師は少ないのではないでしょうか?
看護師が給料に満足できない理由、「何でこんなに給料が安いんだろう?」と考える理由は2つあります。
看護師の給料は上がらない!昇給しない
看護師が給料を安いと感じる理由の1つは、どんなに頑張って給料が上がらないことです。
看護師は長く働いても、なかなか給料が上がらないのです。あなたは新人時代から、どのくらい給料が上がりましたか?
こちらの看護協会のグラフを見てください。
【図1】年齢別の看護師の給与総月額と基本給月額
出典:2012年 病院勤務の看護職の賃金関する調査|公益社団法人日本看護協会(PDF)
20代前半の看護師の給料を100とした場合、50代前半の給料は145にしかなりません。30年間働いても、給料は1.45倍にしかならないのです。
では、民間のサラリーマン・OLの給料はどうでしょうか?民間のサラリーマンの年代別の給料は、このようになっています。
(第14図)年齢階層別の平均給与
出典:平成27年分民間給与実態統計調査|国税庁(PDF)
20代前半の平均年収は253万円、50代前半の平均年収は509万円。約2倍に増えています。
男性サラリーマンにいたっては、271万円から670万円へのアップですから、2.47倍もアップしています。
看護師の給料がいかに上がらないものなのか実感出来るかと思います。
どんなに頑張っても、どんなに長く勤めていても、看護師は給料がなかなか上がらない。でも、仕事の責任の重さは増えていく。
これを考えると、看護師は給料が安いと不満に思うのも仕方がないことなのです。
看護師の仕事は割に合わない
看護師が、自分の給料を安いと思う理由の2つ目は、割に合わないことです。
看護師の給料は、一般的に高いと言われています。
厚生労働省の「平成28年の賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年収は480万8,500円です。
それに対して、民間サラリーマンの平均年収は、国税庁の「平成27年分民間給与実態統計調査」(PDF)によると、355万6,000円となっています。
このデータを見ると、確かに看護師の給料は一般サラリーマンよりも高いです。でも、看護師は給料が安いと不満に思っています。
それはなぜかと言うと、「給料が仕事内容に見合っておらず、割に合わない」と感じているからです。
- 看護師は国家資格であり、患者さんの命や健康を扱う責任の重い仕事です。
- また、夜勤もありますので、不規則な生活になりますし、カレンダーどおりの休日でもありません。
- さらに立ちっぱなしの力仕事が多いため、体力的にもハードですし、病気や怪我をしている患者さんに接するのは精神的にもハードです。
これだけ大変な仕事なのに、一般の方の給料よりもちょっと高い程度のお給料。
これでは「仕事を辞めたい」と思うようになっても仕方がないことです。
いくら看護師の仕事が好きでも、ボランティアではないので、労働対価であるお給料は仕事に見合った額をもらえないと、仕事は続けていけないですよね。
看護師の給料は、仕事内容に見合っていなくて、割に合わないから、安いと感じてしまうのです。
給料が安いことへの不満を解決するには
今の職場の給料が安く「仕事を辞めたい」と思っていても、そのほかの点では大きな不満はないという場合は、仕事を辞めてしまう前に、今の職場で給料を上げる方法を考えてみましょう。
まず、一番最初にすることは、給料明細を見直してみることです。
残業手当は残業した時間分、しっかりついていますか?サービス残業になっていませんか?
特に、残業の多い人は、残業時間と手当額を見比べてみましょう。
もし、「残業手当がきちんとついていない」、「サービス残業を強いられている」という場合は、師長に「残業手当をしっかりつけてほしい」と伝えてみましょう。
1人では言いにくいこともあるでしょうから、同じような不満を持つ同僚と一緒<に行くことをおすすめします。
師長も1人だけに言われるよりも、複数人から言われることで「職場内の大きな不満」として捉えて、改善に動きだしてくれるかもしれません。
もうひとつの給料アップ方法は、自分自身がスキルアップすることです。
独学で積極的に勉強する以外にも
- 院内研修や外部研修に積極的に参加したり
- 病棟で重宝しそうな資格(3学会合同呼吸療法認定士やBLS、ACLSなど)を取得して
職場に貢献できるようになれば、昇給・昇進のチャンスが大きくなります。
昇給の場合、諸手当ではなく基本給が上がりますので、その分ボーナスも上がることになります。
ただ、スキルアップしたからと言って、必ずしもすぐにお給料アップするワケではありませんので、その点は注意しましょう。
給料アップを狙って転職する時の4つのチェックポイント
今の職場で解決策を実行してみても、「全然給料が上がらない」、「給料が安いこと以外にも不満がたくさんある」という場合は、思い切って転職してみても良いでしょう。
昨今の看護師不足で、看護師求人はたくさんあります。
じっくり探せば、自分の希望にピッタリ合ったところが見つかるでしょう!
お給料に不満を持つ人が転職先を探す場合、一番重要視するのはやっぱりお給料だと思いますが、チェックポイントがいくつかありますのでご紹介します。
1つ目は基本給です。
求人情報には給与目安が掲載されていますが、たいていは諸手当込みの給与になっています。
つまり、基本給がすごく低くて、諸手当が高いという場合もあるんです。
諸手当は夜勤回数や残業時間、休日出勤などによって変わってきますが、基本給は一定です。
そのため、給与目安が同じでも、基本給が高い職場のほうが良いでしょう。
また、ボーナスは基本給の○ヶ月分という形で支給されますので、基本給が高ければ、その分ボーナスも高くなります。
2つ目はボーナスです。
ボーナスが基本給の何ヶ月分支給されるかは、その病院や施設によって大きく異なります。
2ヶ月分のところもあれば、6ヶ月分のところもあります。
基本給が20万円だとしたら、2ヶ月分の場合40万円、6ヶ月分の場合120万円となりますので、1年で80万円も差が出ることになります。
ボーナスの支給実績は注目すべきポイントです。
看護師の給料は、基本給が少なく、各種手当の割合が多いという特徴があります。
この各種手当の充実度や金額をチェックしておくと、大幅な給料アップが狙えます。
看護師の手当の代表例と言えば、夜勤手当だと思います。夜勤手当の金額は、病院や施設によって異なります。
2交代制の場合、1回の夜勤手当が8,000円〜1万5000円が相場になっています。
夜勤手当が8,000円と1万5000円では、1回の夜勤で7,000円、1ヶ月4回の夜勤に入るとすると1ヶ月で2万8,000円、1年で33万6,000円も違ってきます。
1年で33万6,000円はとても大きな差ですよね。
夜勤に入る職場に転職する看護師さんは、夜勤手当の額にこだわって転職すると良いでしょう。
また、看護師の給料は
- 住宅手当
- 扶養手当(家族手当)
- 資格手当
- 皆勤手当
- 職務手当
- 病棟手当
などいろいろな手当がつくことがあります。
どのような手当がつくかは職場によって異なります。
手当が充実していて、しかも金額が高いかをチェックしておくと、自分でも驚くほどの給料アップにつながることがあります。
看護師が給料アップを狙うなら、昇給の有無もチェックしておきましょう。
最初にも説明しましたが、看護師の給料はなかなか上がりません。
でも、毎年きちんと昇給があって、それなりに給料が上がっていくところに転職すれば、長く勤めれば勤めるほど、給料が上がっていきます。
昇給額は1年というスパンで考えると、さほど大きなものではありません。
でも、5年10年と長く勤めると、昇給がほとんどない職場と昇給が確実にある職場では、年収に大きな差ができますので、昇給の有無や昇給率を確認して求人を選ぶと良いでしょう。
給料アップを狙える3つの看護師の職場
看護師が給料アップを狙って転職するなら、次の3つの職場がおすすめです。
今現在、平均的な給料で働いている看護師さんなら、ご紹介する3つの職場に転職すれば、確実に給料が上がるはずです。
私立大学病院
給料アップを狙える職場の1つ目は、私立の大学病院です。
看護協会の「2013年 病院における看護職員需給状況調査」によると、国立、公立、公的医療機関、社会保険関係団体、公益法人、私立学校法人、医療法人・個人、その他法人等の中で、私立学校法人の給料水準が最も高いという結果が出ています。
私立学校法人の病院とは、私立大学病院のことですね。
- しかも、私立大学病院はボーナスが5か月分以上出るところが多く、中には6か月分以上出るところもあります。
- また、福利厚生が整っていて、各種手当も充実しているので、私立大学病院に転職すれば、給料アップを狙うことができるでしょう。
私は新卒で東京の私立大学病院に就職しましたが、2年目には年収500万円を超えていました。
ボーナスは5.3か月分くらいは出ていました。
私立大学病院で師長になると、年収は700〜800万円をもらえるそうですよ!
看護師で年収800万円はかなりの高年収と言えるのではないでしょうか?
美容外科クリニック
とにかく給料を上げたいという看護師さんは、美容外科クリニックへの転職がおすすめです。
美容外科クリニックは、自由診療のクリニックですので、クリニックの利益が大きいため、看護師の給料も高いのです。
月収は35〜45万円程度の美容外科クリニックが多いので、この月収にボーナスを加えると、日勤のみでも500〜600万円以上を稼ぐことが可能です。
美容外科クリニックによっては看護師に営業ノルマを課しているところがあります。
ノルマを達成するのは大変ですが、営業ノルマを達成することで、インセンティブをもらえることがあり、営業成績が良い人は、年収1000万円を超えることもあります。
そのため、美容外科クリニックで働けば、大幅に給料をアップさせることも可能なのです。
臨床開発モニター(CRA=Clinical Research Associate)
臨床開発モニターも、看護師が給料アップを狙える仕事です。
臨床開発モニターとは、製薬会社やCRO(Contract Research Organization=開発業務受託機関)で、新薬を開発した製薬会社の立場から治験をサポートし、治験のデータを回収し、報告書を作成する仕事になります。
臨床開発モニターは、製薬会社などの一般企業に勤めますので、能力次第でどんどん給料が上がっていきます。
転職当初は年収400〜450万円なので、それほど給料が高いというわけではありません。
しかし、経験を積めば給料が上がり、役職につくようになると、年収1000万円を超えていきます。
臨床開発モニターは能力次第で給料が上がりますので、「どんなに頑張っても給料が上がらない」という悩みを抱えている看護師にとっては、理想的な職場と言えるかもしれません。
給料に不満がある場合には「割に合うかどうか」を重視して転職を!
給料アップを狙える職場をご紹介してきました。
でも、私立大学病院や美容外科クリニック、臨床開発モニターに転職して、給料が上がったからといって、必ずしも看護師全員が満足できると言うわけではありません。
なぜなら、看護師1人1人の価値観が違うからです。
いくら給料が上がっても、そのほかの面で不満があれば、その転職は成功とはいえません。
重要なことは、「割に合う」、「割が良い」と思えるかどうかです。
たとえば、私立大学病院は忙しいですし、重症患者ばかりです。
ほのぼのと穏やかに働きたい看護師さんには不向きでしょう。
美容外科クリニックは自由診療のクリニックです。
ですから、患者をお客様として接しなければいけません。
また、コンプレックスを持っていても、基本的には健康な人が患者になります。
看護師としてのやりがいを感じないこともあるでしょう。定年退職まで働けるのかも疑問ですね。
臨床開発モニターは、臨床現場から離れてしまうことになります。
また、残業や出張が多いこと、英語が必要なことなどがデメリットになります。
このように、いくら給料が高くても、人によっては「割に合わない」と思ってしまうことがあるのです。
給料に不満を抱かないためには、次の3つのどれかに当てはまっている必要があります。
- これだけ楽な仕事なんだから、この給料でも満足できる
- 給料もそこそこ、仕事量もそこそこで、やりたい看護ができる
- とにかく給料が高いから、激務でも、他に嫌なことがあっても満足できる
つまりは、「仕事内容と給料額が釣り合っている」と思えるかどうかが、転職先選びではもっとも重要なことなのです。
「給料が安すぎる」、「給料に不満があるから辞めたい」と思っている看護師さんは、給料を基準にして転職先を選ぶことも大切ですが、それ以上に割に合うかどうかを重視して、転職先を選ぶようにしてください。
そうすれば、満足のいく転職ができるはずです!
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