3年目の看護師|辞めたい理由3つと絶対失敗しない転職の注意点4つ
[著者: 平野雅子 (看護師 /保健師).more..]
看護師3年目になると、少し精神的に余裕が出てきます。
そうすると、1〜2年目に無我夢中で働いていた時には、気づかなかった事が見えてくるようになるため「辞めたい」と思うようになるケースがあります。
3年目の看護師がやめたいと思う理由には、次の3つがあります。
- 新卒の頃からの不満が溜まってきて表面化する
- 将来のことを考えるようになる
- 仕事の負担が増える
3年目の看護師は転職先に困ることはありませんが、「3年目」は「丸3年間の経験」という条件と比べると、中途半端な感じが否めません。
「今すぐ転職する」か、「丸3年間の経験を積んでから転職する」か、どちらが損をしないのか、どちらが得なのかを考えて、転職時期を決めましょう。
3年目で転職する時には、次の4つの注意点を守って転職先を探して下さい。
- やりたい看護ができるか
- 看護師の経験年数の分布はバランスが良いか
- スキルアップ・キャリアアップできるか
- 待遇は満足できるか
この4つのことに注意すれば、転職して良かったと思える職場で働けるはずです。
看護師が3年目で辞めたい理由
3年目の看護師が辞めたい理由は、次の3つがあります。
- 新卒の頃からの不満が溜まってきて表面化する
- 将来のことを考えるようになる
- 仕事の負担が増える
このような3つの理由で、「もう辞めたい!」とか「転職したい!」と考えるようになる3年目の看護師は多いです。
もし、この中にいまいち自分に当てはまる悩みがないという人は、「辞めたい4年目看護師必見!5つの理由別、間違いなしの転職先選び」を参考にしてみてください。
1. 新卒の頃からの不満が溜まってきて表面化する
看護師は3年目になると、いろいろな不満が溜まって、それが表面化してくるようになります。
職場への不満が溜まるようになれば、誰だって多少は辞めたいと思うようになります。
看護師は3年目になると、ある程度仕事は出来るようになっています。
仕事の流れも把握して、要領も良くなってきているので、「どうしよう!仕事が終わらない!」とか「次は何をやれば良いのかわからない!」のようなストレスも、だいぶ少なくなってきているのではないでしょうか。
1年目、2年目の頃は自分の仕事を行うだけで精いっぱいで、不満を感じていても、それを心の奥底にしまっておいた人、不満を感じても考える余裕がなかった人は多いと思います。
でも、3年目になって仕事に余裕が出てくると、ずっと蓄積されてきた不満が一気に噴き出してくるんです。
例えば、先輩看護師との人間関係。
今までは嫌味を言われても、ムカついても、「私が仕事ができないのがいけないんだ」と我慢していたかもしれません。
でも、3年目になって仕事ができるようになってくると、
「なんでそんな理不尽な文句を言われなくちゃいけないのよ!」
「あの先輩、いつもさぼってばかりでズルい!」
などと思うこともあるでしょう。
また、3年目になると、その職場の待遇も気になりだす時期です。
看護学校時代の友人と話していた時や、何気なく求人情報を見ていた時に、自分の職場の待遇の悪さに気づくことがあります。
- 「え?そんなに給料が安いの!?」
- 「うちは残業なくて楽だよ」
- 「この前、4連休を付けてもらった〜。夏休みは10連休だったし!」
など言われると、職場に対する不満がふつふつと湧いてきて、辞めたいと思う事も出てきます。
2. 将来のことを考えるようになる
3年目の看護師が辞めたい理由の2つ目は、将来のことを考えるようになるからです。
3年目になって仕事に余裕が出てくると、看護師としての将来について考えるようになり、ほかの職場で働きたいと思うケースもあります。
1年目、2年目の頃はどんな看護がしたいのか、どの診療科の看護がしたいのかなんて考える余裕がなかったと思います。
学生時代に考えていた看護観、やりたかった看護、理想の看護師像は、毎日忙しく働く中で忘れてしまって、心の奥深くに置いておいた人が多いですよね。
でも、3年目になると精神的に余裕が出てきます。
そうすると、「私のやりたい看護は何だっけ?」とか「看護学生の頃は、ICUで働きたかったな」のように、看護観や理想の看護師像を心の奥から引っ張り出す機会が増えてくるんです。
特に、3年目になると学生時代とは違って、看護師の職場の現実が見えてきます。また、視野も広くなります。
現実を知りつつ、視野が広くなると、理想の看護の実現方法が明確にわかるようになります。
学生時代にぼんやり抱いていた夢を現実に実現する方法がわかるのです。
そうすると、今の職場では夢を実現できないから退職して、新しい環境でやりたい看護にチャレンジしようと思うようなります。
3. 仕事の負担が増える
3年目の看護師は職場での負担が重くなる時期になります。
3年目になれば楽になると思って、辛い1年目2年目を頑張っていたのに、3年目になってさらに仕事の負担が重くなったら、辞めたいと思うのも仕方がありません。
3年目の看護師は、師長や先輩看護師から見ると、「便利な看護師」になります。
便利な看護師とは、「仕事ができて」、「若手で」、「独身の」看護師のことです。
- 3年目の看護師は、病棟の仕事が一通りできるようになりますし、基本的なことなら安心して任せることができるレベルに達しています。(仕事ができる)
- 3年目の看護師はまだまだ若手で、部署の中では後輩的な立ち位置になります。上司や先輩看護師は若手の後輩には、委員会や係の面倒な雑用を押し付けやすいのです。(若手)
- 3年目の看護師のほとんどは、独身ですよね。独身の看護師には、夜勤回数が少し多くなっても、残業をしてもらっても、家庭に影響がないので、お願いしやすいという事情があります。(独身)
「仕事ができる」、「若手」、「独身」。この3つの便利な看護師の条件を、3年目の看護師はすべて満たしているのです。
3年目になって少しは楽になると期待していたら、楽になるどころか仕事の負担が増えてしまったら、不満ですよね。
文句を言っても、
「あなたはまだ若いんだから大丈夫!」とか
「若いうちにいろんなことを経験しておかないと!」
のようにごまかされてしまったら、辞めたいと考えるのも仕方がないと思います。
また、3年目になると看護研究を強制的にやらされたり、院外研修に自費で参加するように促されたりすることも多いですね。
そのような面でも負担が増えて、退職することを考えるようになるケースもあります。
3年目の看護師は、
- いろいろ不満が溜まってくること
- 余裕が出てきて将来のことを考えるようになること
- 雑用などの仕事の負担が増えること
などの理由で辞めたいと考えるようになるんですね
3年目で辞めたい看護師は損得を考えよう
3年目で辞めたいと思っている看護師は、3年目の今、転職をして、損か得かよく考えてから転職するようにしましょう。
3年目の看護師は転職先の候補がたくさんあります。
ただ、何も考えずに転職すると、「もうちょっと我慢してから転職すれば良かった」と後悔することになりかねません。
「3年目の看護師」は、看護師の転職市場ではとても微妙な位置づけになります。
3年目の看護師は、一通りの看護スキルを身につけているし、若いので、「転職先がない!」ということはまずありません。
それどころか、いろいろな職場から引っ張りだこになることもあると思います。
ただ、転職市場では「3年目」と「丸3年の経験」では、かなり印象が違うのです。
「丸3年の経験」がある看護師は
- 一人前の看護師」
- 1つの職場にそれなりに長く勤めることができる看護師
と思われます。
「3年目」の場合は、「丸3年の経験」と比べると、ちょっと中途半端な印象を持たれることがあります。
- 一人前の看護師とは言えないかも
- もしかしたら、すぐに退職するかも
- あまり我慢ができない性格かも
のように評価される可能性があるんです。
そのため、3年目で転職してしまうと、転職には困りませんが、好条件で人気の高い求人は不採用になってしまって、平均的な職場、もしくは平均以下の待遇の職場にしか転職できないかもしれません。
3年目の看護師は、「今どうしても辞めたい!もう我慢できない!」というほど追い詰められているなら、今すぐ辞めて転職しても良いと思います。
丸3年の経験を積むまで、ストレスを抱えながら我慢して働き続けるよりも、今すぐ転職したほうが得になるはずです。
でも、「辞めたいなぁ。どうしようかなぁ?今転職したほうが良いかなぁ?」
そんな風にぼんやりと辞めたいと考えている状態・・
それなら、もう少しだけ我慢して、丸3年の経験を積んでから転職したほうが、間違いなく得をするはずです。
看護師が3年目で辞めて転職する時の4つの注意点
3年目の看護師が転職するなら、次の4つのことに注意して、転職先を選ぶようにしましょう。
- やりたい看護ができるか
- 看護師の経験年数の分布はバランスが良いか
- スキルアップ・キャリアアップできるか
- 待遇は満足できるか
この4つのことに注意して求人を選べば、「3年目だけど、思い切って転職して良かった!」と思えるはずです。
1. やりたい看護ができるか
3年目の看護師が転職をするなら、やりたい看護ができるのかをチェックしましょう。
もう新人看護師ではないのですから、看護スキルを身につけることよりも、やりたい看護ができるのかを優先して転職先を選ばないともったいないです。
3年目になれば、一通りの看護スキルを身につけていると思います。
そして、自分の看護観や理想の看護について考える機会が出てきますよね。
看護観や理想の看護については、これから看護師として働き続けていくと、さらに考えることが多くなります。
そのため、「やりたい看護ができるかどうか」を重視して、転職先を選ばないと、またすぐに「辞めたい、転職したい」と考えるようになってしまいます。
そうならないためにも、自分はどんな看護がしたいのかを考えて、それを実践できる職場へ転職しましょう。
急性期看護がやりたいなら、急性期病院に転職することになりますが、診療科の配属希望が叶うのかは重視すべきです。
また、寄り添った看護をしたい場合、療養型病棟なら必ず寄り添った看護ができるというわけではありません。
各病院の理念や方針を調べつつ、実際にはどのような看護をしているのかを確認しておくと良いでしょう。
2. 看護師の経験年数の分布はバランスが良いか
3年目の看護師が転職するなら、転職先の看護師の経験年数の分布を確認しておきましょう。
新人、若手、中堅、ベテラン看護師がバランスよく勤務している職場は、ホワイトな職場で働きやすい環境が整えられている可能性が高いです。
逆に「新人〜3年目の若手看護師」と「15年目以上のベテラン看護師」しかいないような職場の場合、ベテラン看護師が幅を利かせていて、「お局」看護師がたくさんいるような状態の可能性があります。
ベテラン看護師が幅を利かせていて働きにくいため、中堅看護師はみんな転職してしまうんですね。
そのような職場に、「便利な看護師」である、3年目のあなたが転職してしまうと、ベテラン看護師に、こき使われてストレスが溜まり、すぐに転職したことを後悔する可能性があります。
3年目の看護師は、看護師の経験年数の分布のバランスが良い職場を選ぶようにして下さい。
3. スキルアップ・キャリアアップできるか
3年目の看護師が転職するなら、スキルアップ・キャリアアップしていけるかを確認しましょう。
これからは、看護師も専門性を高めて、スキルアップ・キャリアアップしていく時代です。
あなたのスキルアップ・キャリアアップを応援・支援してくれる職場に転職するようにしましょう。
3年目の看護師は、一通りの基本的な仕事ができるようになっていても、まだ一人前の看護師とは言えません。
まだまだ勉強すべきこと、身につけていくべきスキルはたくさんあります。
そのため、院内研修や指導体制が整っている職場に転職しなくてはいけません。
また、これからは認定看護師や専門看護師の資格を取得したり、特定行為に関する研修を受ける看護師が増えていくことが予想されます。
ただ、これらのキャリアアップは自分がキャリアアップしたいからといって、簡単にできるわけではありません。お金も時間もかかります。
キャリアアップのための研修を受けている時に、職場が出張扱いにして身分を保証してくれて、さらに給料を支給してくれたり、研修費を負担してくれたら、経済的にも助かりますし、積極的にキャリアアップしようと思えますよね。
看護師として専門性を高めながらバリバリ働いていくことを視野に入れているなら、スキルアップしていけるのか、キャリアアップを支援してくれるのかを確認して転職先を選んでください。
4. 待遇は満足できるか
3年目の看護師が転職する時には、待遇は満足できるかをチェックしてください。
いくらやりたい看護ができて、働きやすい環境で、スキルアップしやすい環境が整っていても、待遇面に不満があったら、長く働いていけません。
3年目で転職した看護師は、新卒で入職した職場で長く働いたとは言えませんので、今度の転職先では長く働かなくてはいけません。
またすぐに転職したら、「1つの職場で長く働けない看護師」というレッテルを貼られてしまいますので、その後はあまり条件の良い職場では働けなくなってしまいます。
そのため、今度の転職先ではできるだけ長く働けるところを選ばなくてはいけません。そして、長く働くためには待遇に満足できるかどうかが重要になります。
給料やボーナス、勤務時間・勤務体制、年間休日、平均残業時間、有休消化率、その他の福利厚生などをしっかりと調べて、満足できるところ、「これなら長く働ける!」と思ったところに転職しましょう。
まとめ
3年目の看護師が辞めたい3つの理由と、転職する時の4つの注意点をまとめました。
3年目の看護師は、転職するにはやや中途半端な時期になり、思わぬ損をすることもあります。
損をしないためにも、「いま転職すべきか」、「丸3年の経験を積んでから転職すべきか」を天秤にかけて、転職時期を選ぶようにしましょう。
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