新人看護師の転職|6つのステップ、5つの理由別求人選びのコツ、5つの注意点
[著者: 平野雅子 (看護師 /保健師).more..]
「転職したい。でも新人看護師が転職しても良いのかな?」
このように悩んでいるのは、あなただけではありません。
転職して良いのかどうか悩んでいる新人看護師は、どうすれば良いのでしょうか?
新人看護師の転職は、基本的にはおすすめできませんが、限界を感じるほど追い詰められているなら、転職しても良いと思います。
新人看護師が転職する時には、次の6つのステップで「退職手続き」と「転職活動」を進めていきましょう。
- 師長に退職を告げる
- 退職する
- どんな職場に転職するかを考える
- 求人選びをする
- 採用試験を受ける
- 新しい職場に転職する
また、転職先は、「転職理由を解決できる職場」を選ばなくてはいけません。
さもないと、転職してもまたすぐに「辞めたい、転職したい」と考えるようになるからです。
新人看護師の転職理由の代表的なものには、以下の5つのようなものがあります。
- 急性期の仕事についていけない
- 仕事が覚えられない
- 夜勤で体調を崩した
- 希望の部署に配属されなかった
- 先輩看護師が怖い&イジメにあった
この新人看護師が転職したくなる「5つの理由」別に、求人選びのポイントをご紹介します。ここを押さえて転職先を探すと、満足できる転職ができるはずです。
そして、転職の際には、次の5つのことに注意してください。
- 相談する相手に気を付ける
- 自己分析をする
- 意志を強く持つ
- 教育体制にこだわる
- 新人看護師の離職率を調べる
では、これから、もう少し分りやすく、丁寧に解説していきます。
この記事を読めば、新人看護師さんは転職に失敗せずにすむはずです!
1.新人看護師は転職して良いの?
新人看護師でも転職することは可能です。
ただ、スキル面などを考えると、新人看護師はできるだけ転職しない方が良いと思います。
しかし、心身ともに限界を感じている場合は、話は別です!
今の職場で働くことに限界を感じている新人看護師さんは、転職しましょう。
限界を感じているのに、それでも無理をして神経をすり減らしながら、働く必要はありません。
あなたに合った職場に転職すれば、もっと看護の楽しさを感じながら働くことができるはずです。
1-1.新人看護師の転職はあまりおすすめできない理由
新人看護師の転職は、あまりおすすめできません。
できれば、新人看護師は一人前の看護師になるまで、今の職場で頑張ったほうが良いでしょう。
その理由は、次の4つがあります。
- 転職すると、ゼロから学び直す必要があること
- 新人看護師は転職先の選択肢が狭いこと
- 経歴的にあまり好ましくはないこと
- もし、転職に失敗したら後がないこと
転職すると、ゼロから学び直す必要があること
一人前の看護師ではない新人看護師が転職すると、転職先ではまた「新人扱い」され、ゼロから看護スキルを学んでいくことになります。
技術・知識を再確認しながら学べるというメリットはあるものの、他の同期からは遅れを取ることになります。
新人看護師は転職先の選択肢が狭いこと
また、新人看護師が転職しようと思った場合、教育制度がしっかり整っているところでないと転職できません。
新人看護師が転職する場合、第二新卒として転職することになりますが、全ての職場が第二新卒を採用しているわけではありません。
そのため、一人前の看護師に比べると、新人看護師の転職は転職先の選択肢は狭くなってしまい、希望するような職場に転職できない可能性があります。
経歴的にあまり好ましくはないこと
新人看護師の時に転職してしまうと、今後の長い看護師人生の中で、再度転職する時の履歴書に、「新人看護師の時に転職したこと」を職歴として記載しなければいけません。
新人看護師の時に転職して、その後は長く働けば、その経歴はほとんどマイナスにはなりません。
でも、「新人看護師の時に転職した」という経歴は残ったままになりますので、今後マイナスになる可能性はゼロではないのです。
もし、転職に失敗したら後がないこと
新人看護師の時に転職することはできますが、この転職は絶対に成功させなければいけません。転職に失敗できないのです。
新人看護師の時に転職をした。でも、その転職先の職場がイマイチで、またすぐに「転職したくなった」という場合、新人看護師の時に「短期間に」「2回も早期退職」をし転職をすることになります。
そうすると、「この看護師さんは、すぐに逃げ出すタイプだから、またすぐに辞めてしまうだろう。」と思われて、どこも採用してくれなくなるのです。
そのため、新人看護師の転職は絶対に失敗することができません。
転職に失敗するリスクを考えると、新人看護師の転職はおすすめできないのです。
1-2.限界を感じているなら転職してもOK!
新人看護師の転職はあまりオススメできませんが、限界を感じている場合は、新人看護師でも転職して大丈夫です。
限界まで追い詰められている場合は、転職するメリットがデメリットよりも大きいので、デメリットは気にしなくて良いのです。
新人看護師さんの中には、「もう辛いから死にたい。」とか「このまま消えてしまいたい」と思い悩んでいる人もいると思います。
それほどまでに限界を感じているなら、「新人看護師だから転職はおすすめできない」と言っている場合ではありません。
新人看護師は、毎日が大変で辛いこともいっぱいあると思います。
でも、「死にたい」とか「消えたい」と思ってまで頑張る必要はありません。
そんなに追い詰められているなら、転職しましょう。そのまま働いていたら、うつ病になってしまうかもしれません。
そうならないように、自分を大切にするためにも、転職したほうが良いと思います。
あなたにとって今の職場は、「ハズレ」であり、合っていないのです。
あなたが限界を感じるまで頑張っているのに、師長や先輩が助け舟を出してくれない職場は、あまり信用できません。
それなら、思い切って転職して、あなたに合った職場で働いたほうが良いと思います。
あなたに合った職場なら、新人看護師の大変さは感じつつも、やりがいや楽しさも感じながら働けるはずです。
2.新人看護師が転職を決めた時の6つのステップ
新人看護師が転職することを決めた時は、次の6つのステップで退職と転職を行いましょう。
- 師長に退職を告げる
- 退職する
- どんな職場に転職するかを考える
- 求人選びをする
- 採用試験を受ける
- 新しい職場に転職する
この6つのステップで、退職手続きと転職活動を行えば、スムーズに転職できるはずです。
2-1.師長に退職を告げる
退職することを決めた新人看護師さんは、まずは師長に退職することを伝えましょう。
転職するためには、まずは今働いている職場を退職しなければいけませんので、直属の上司である師長に退職することを報告してください。
退職したいことを師長に伝えた場合、おそらく師長に引きとめられると思います。
「今辞めてしまったらもったいない」、「もう少し頑張ってみて」、「辛いことがあったら、相談してくれれば、改善できるようにするから」 (などなど・・・)
でも、退職を迷っているのではなく、もう決断しているのなら、ここで迷う姿勢を見せてはいけません。
迷う姿勢を見せると、もっとしつこく引きとめられることになります。
「すみません。お世話になったのに申し訳ありませんが、退職させて下さい。」ときっぱりと退職する意思を伝えましょう。
そして、退職することが決まったら、プリセプターやチームリーダーに退職することを報告してください。
2-2.退職する
師長に退職を告げたら、あとはその職場を退職するだけです。
細かい事務手続きなどは、師長が指示してくれますので、それに従って手続きをして退職しましょう。
退職日
まずは、退職日ですが、おそらくあなたは少しでも早く辞めたいと思っているはずですので、最短で退職できる日に退職日を設定してください。
最短で退職できる日は、職場の規則によって異なりますが、普通、月の前半に退職を申し出れば、その月の末日には退職できると思います。
退職願
次に退職届(退職願)ですが、これは退職日の1ヶ月前〜2週間前に提出するのが一般的です。
そのため、新人看護師さんは退職が決まったら、すぐに退職届を出してOKです。
退職届は職場指定の書式がある場合は、それを使うようにしましょう。
職場指定の書式がない場合は、白い便箋に黒のボールペンで、手書きで丁寧に書くようにしましょう。
退職理由は、師長にはなぜ退職するのかをきちんと伝えたほうが良いのですが、退職届には詳細に書く必要はありません。「一身上の都合」と書いておけば大丈夫です。
退職届を出したら、あとはロッカーの整理をして、総務部で年金や保険、税金等の手続きをし、ユニフォームの返却方法などを確認して、退職しましょう。
退職日の決め方、退職願の書き方などの詳しい解説はこちらから>> 「退職願の具体的な書き方と挨拶」
2-3.どんな職場に転職するかを考える
退職した後は、次はどんな職場に転職するかを考えるようにしましょう。
どんな職場に転職すべきかを考える時には、心身ともに元気で健康な状態で考えるようにして下さい。
そうしないと、正常な判断ができずに、転職に失敗する可能性が高くなります。
退職手続きと同時に転職活動をすることもできるのですが、新人看護師さんの場合にはあまり同時進行で行うのはおすすめできません。
なぜなら、転職する新人看護師さんは、基本的に退職時には心身ともに疲れ切っているからです。
そんな中で、次はどんな職場に転職しようか考えても、良い判断はできません。
新人看護師の転職は失敗することができないのです。
そのためには、きちんと落ち着いた状態でどんな職場に転職するかを考え、後悔しない選択をしなければいけません。
退職後はまずは落ち着いて、心身の回復に努めましょう。
そして、自分の中にパワーが充電されて、また看護師として働きたいと思えるようになったら、どんな職場に転職するのかを考えると良いと思います。
2-4.求人選びをする
どんな職場に転職するか、ある程度条件を絞り込めたら、次は求人選びをしてください。
求人選びをする時には、「あれも!これも!」と欲張り過ぎずに、「絶対に譲れない条件だけは満たす求人」を選んだ方が確実だと思います。
教育制度の充実
新人看護師が転職する時に、絶対に譲れない条件の1つ目は、教育制度です。
あなたはまだ新人看護師なのですから、新人看護師向けの教育制度が整っていて、スキルアップしていける職場を選ばないといけません。
そうしないと、何もできないのに、経験年数だけは長い看護師になってしまいます。
辞めた理由が解決出来る職場
絶対に譲れない条件の2つ目は、前の職場を退職した理由、転職したいと思った理由を解決できることです。
これをクリアした転職先でないと、また同じ失敗を繰り返して、すぐに「もう辞めたい。転職したい。」と思うようになってしまいます。
そのため、「教育制度が整っていること」と「転職したいと思った理由を解決できること」の2つにこだわって、求人選びをするようにしてください。
2-5.採用試験を受ける
求人選びをしたら、次は採用試験を受けてください。
求人に応募する場合は、履歴書や看護師免許のコピーなどが必要になりますので、きちんと用意しておきましょう。
採用試験は面接だけのこともありますが、小論文や作文、適性検査などが行われることもありますので、選考方法を確認して、あらかじめ、きちんと試験対策をしておきましょう。
新人看護師の転職の場合、退職理由や看護観などを細かく聞かれることが多いです。
面接官が納得できるような答えをしっかり考えて、自分の言葉で説明できるようにしてください。
2-6.新しい職場に転職する
採用試験を受けて内定をもらったら、あとは新しい職場に入職するだけです。
新しい職場に入職することに不安を持っている人も多いかもしれませんが、心機一転頑張りましょう。
前の職場での失敗や反省を活かして、前向きな姿勢で働くようにすれば、今度はきっと楽しく看護師の仕事を続けていくことが出来るはずです。
新人看護師が転職する時は、(1)師長に退職を告げる、(2)退職する、(3)どんな職場に転職するかを考える、(4)求人選びをする、(5)採用試験を受ける、(6)新しい職場に転職するの6ステップで転職しましょう。
3.新人看護師が転職する時に知っておくべき3つのこと
新人看護師が転職する時には、次の3つのことを知っておきましょう。
- ゼロから始めるつもりで頑張る
- 次は3年以上は働くことを覚悟する
- 面接では厳しいことを言われることがある
この3つを頭の中に置いて転職をすると、転職に失敗する可能性が低くなると思います。
3-1.ゼロから始めるつもりで頑張る
新人看護師が転職する時には、ゼロから始めるつもりで頑張りましょう。
そのような姿勢で働くと、仕事の覚えが早くなりますし、転職先の先輩看護師からもかわいがってもらえるのです。
転職をする新人看護師さんは、もうすでに今の職場では独り立ちをしているかもしれません。
独り立ちをしていたら、自信を持って働けるようになっていると思います。
でも、転職先ではその自信はいったん胸の奥深くにしまっておいて、またゼロから始めるつもりで頑張りましょう。
職場が変われば、看護技術の必要物品などの細かい部分が変わることがあります。
一人前の看護師は、ちょっとした違いなら臨機応変に対応することができますが、独り立ちしたばかりの頃はまだまだ応用が効かず、臨機応変に対応できません。
それなのに、「私は、前の職場ではもう独り立ちしていたので」という態度で働いていたら、仕事ができる雰囲気なのに、結局はイマイチ仕事ができないダメな看護師と見られてしまいます。
すると、転職先の先輩看護師からは煙たがられて、丁寧に指導してもらえなくなります。
そうならないためにも、新人看護師は転職をしたら、ゼロから始めるつもりで、頑張るようにしましょう。
3-2.次は3年以上は働くことを覚悟する
新人看護師が転職する時には、転職した職場では3年以上は働くことを覚悟しておきましょう。
3年以上働けば、「新人看護師が転職した」というマイナスポイントが薄くなり、「すぐに退職する人」というレッテルを剥がすことができます。
最初にも説明しましたが、新人看護師の転職はあまりおすすめ出来ないものです。
それでも、限界まで追い詰められていたら、転職するのも仕方がないことです。
ただ、履歴書に残る「新人の頃に転職」という経歴はネガティブな評価を受けがちです。
この「新人の頃に転職」という経歴の印象を薄くするためには、転職先の職場で最低3年は働かなくてはいけません。
3年以内にまた転職をすると、「この人は、嫌なことがあると、我慢せずにすぐに転職するんだな。人生行き当たりばったりで計画性がない人だ。」と思われてしまいます。
そうすると、その後の転職が不利になってしまいますので、希望した職場で働けずに、条件が悪く不本意な職場にしか採用されなくなってしまいます。
新人看護師さんは、転職するなら次は最低3年はその職場で働くことを意識して、3年以上長く働ける職場を選ぶようにしましょう。
3-3.面接では厳しいことを言われることもある
新人看護師が転職する時には、面接では厳しことを言われることがあるかもしれません。
でも、これは「仕方がないこと!」と思って、あまり気にせずに、前向きに頑張りましょう。
何度も言いますが、新人看護師の転職はあまり良いものではありません。
そのため、新人看護師が転職すると、採用試験の面接で面接官に厳しい突っ込みを受ける可能性があるのです。
例えば、「あなた、またすぐに辞めちゃうんじゃないの?」とか「新人なのに、なんで転職しようと思ったの?考えが甘いんじゃない?」などですね。
これは、面接官があなたをイジメようと思って厳しいことを言っているのではありません。
面接官は、あなたがまたすぐに退職する人ではないかどうかを見極めようとしているのです。
看護師1人を採用して、一人前の看護師に育て上げるには、それなりの時間と労力が必要です。
採用側としてはすぐに退職する可能性がある看護師は採用したくありません。
それを見極めるために、厳しい質問をしていますので、面接で厳しいことを言われても、自分の言葉で退職理由をきちんと伝えましょう。
そして、今度は長く働くつもりであることや、やる気があることをしっかりアピールしてください。
4.新人看護師が転職する5つの理由と理由別の求人選びのコツ
新人看護師が転職する理由は、主に次の5つがあると思います。
- 急性期の仕事についていけない
- 仕事が覚えられない
- 夜勤で体調を崩した
- 希望の部署に配属されなかった
- 先輩看護師が怖い&イジメにあった
これらの5つの理由で転職する場合、これらの理由を解決できる職場に転職しなければいけません。
4-1.急性期の仕事についていけないから転職する
急性期の仕事についていけないから転職する場合は、ケアミックス病院に転職すると良いと思います。
急性期の仕事についていけないと悩んでいる新人看護師さんは、もっと患者さんに寄り添った看護をしたいと思っているのではないでしょうか。
寄り添った看護ができる職場はたくさんありますが、医療行為が少なく、看護スキルを身につけられない職場が多く、あまり新人看護師向きとは言えないところが多いのです。
でも、ケアミックス病院の療養型病棟で働けば、患者さんに寄り添いながら、急性期よりもゆとりを持って働くことができます。
しかも、急性期向けの院内研修に参加できますので、比較的看護スキルを身につけやすいというメリットがあるのです。
今は急性期の仕事に付いていけないかも知れませんが、療養型病棟でゆっくりと看護スキルを身につけたら、急性期看護に興味を持つ可能性もあります。
そういう時でも、ケアミックス病院なら、転職ではなく急性期病棟に異動すれば、急性期の看護ができます。
そのため、急性期の仕事に付いていけない新人看護師さんは、ケアミックス病院をの求人を中心に探してみると良いでしょう。
4-2.仕事が覚えられないから転職する
仕事が覚えられないから転職する場合は、教育制度にこだわって転職先を探すようにしてください。
新人看護師向けの教育制度が整っていることはもちろんですが、1人1人に合わせた指導をしてくれるのかを確認してください。
新人看護師の教育制度が整っている病院はたくさんありますが、多くの病院は新人看護師を型にはめて、画一的に指導をしています。
でも、人間は覚えるのが速い人と遅い人がいます。これは、駆け足が速い・遅いと同じようなもので、その人の個性の1つです。
その個性を考慮せずに型にはめて指導をしていると、覚えるのが遅めの新人看護師さんは「仕事が覚えられない。私は落ちこぼれだ。」と思って、退職・転職したくなるのです。
でも、1人1人の進み具合やスキルに合わせた指導をしてくれたら、そこまで劣等感を抱かずに、働くことができますよね。
覚えるのが少し遅くても、着実に努力していけば、必ず一人前の看護師になることができます。
童話の「ウサギと亀」のようなものです。
あなたのゆっくりとした、でも着実な努力をサポートしてくれるような教育制度がある職場なら、あなたも辛い思いをせずにスキルアップしていけるはずです。
4-3.夜勤で体調を崩したから転職する
夜勤をして体調を崩してしまった新人看護師は、日勤のみの職場に転職しましょう。
病棟でも日勤のみの求人を出しているところがありますが、あなた1人だけ日勤で、周りの先輩看護師はみんな夜勤に入っていると、少し気まずいことがあるかもしれません。
それなら、思い切って訪問看護ステーションに転職するのはどうでしょうか?
夜勤がない職場の中で、最も看護スキルを身につけられるのは、訪問看護ステーションです。
訪問看護では、1人で患者さんの自宅を周りますので、高い看護スキルが要求されます。
仕事に慣れるまでは大変ですが、その分やりがいを感じることができます。
近年では、教育制度を整備して新人看護師を積極的に受け入れている訪問看護ステーションが増えてきています。
教育制度が整っていて、仕事に慣れるまでは先輩看護師と2人1組で仕事させてくれるような訪問看護ステーションなら、新人看護師でも安心して働くことができると思います。
夜間の緊急時は電話がかかってきて、対応しなければいけないオンコール制の訪問看護ステーションが多いですが、オンコール当番の日は毎回電話がかかってくるわけではありません。
また、出勤せずに電話対応だけで済むときもありますので、病棟の夜勤よりはずっと負担が少ないです。
オンコールも嫌だという場合には、完全に日勤のみの訪問看護ステーションを探すと良いでしょう。
4-4.希望の部署に配属されなかったから転職する
希望の部署に配属されなかったから転職する新人看護師は、配属希望が通るかどうかを重視して、転職先を探しましょう。
ほとんどの病院は、配属先について「配属希望を考慮して、配属先を決める」や「第1希望から第3希望の中の、どこかに配属する」など説明していると思います。
このような説明だと、「考慮してくれるなら、きっと配属希望は通るはず」と思うかもしれません。
しかし、そのような考えで転職先を決めると、「また配属希望が通らなかった」という痛い目を見ることになります。
あくまで「考慮する」だけで、配属希望が必ず通るとは限りません。
「第1希望から第3希望の中のどこか」という場合も、第1希望ではなく第3希望になってしまう可能性もあります。
配属希望が叶わなかったら、転職した意味がありません。また、すぐに転職したくなってしまいます。
そうならないように、配属希望が必ず通るのかを確認してから、転職先を選ぶようにしましょう。
面接や、その前の病院見学などの時点で、どうしても働きたい部署があることを伝え、配属希望は叶うのかを確認するようにしてください。
転職サイトを利用する際も、無料のコンサルタントに良く確認してもらうようにしましょう。
4-5.先輩看護師が怖い&イジメにあったから転職する
先輩看護師が怖かったり、イジメにあったから転職する場合は、人間関係を重視して転職先を探さなければいけません。
看護師の職場はドロドロした人間関係であることが多いのですが、全ての看護師の職場で人間関係が悪い、先輩看護師が怖いというわけではありません。
穏やかな人間関係だったり、程よい距離感を保ったドライな職場だったりするところもたくさんあります。
そのような職場で働けば、先輩看護師が必要以上に怖かったり、イジメられて嫌な思いをすることもありません。
5.新人看護師が転職に失敗しないための5つの注意点
新人看護師が転職に失敗しないためには、次の5つのことを注意するようにしましょう。
- 相談する相手に気を付ける
- 自己分析をする
- 意志を強く持つ
- 教育体制にこだわる
- 新人看護師の離職率を調べる
この5つのことに気をつければ、新人看護師でも転職に失敗せずに済むはずです。
新人看護師は転職に失敗できませんから、5つの注意点を必ず守って、転職するようにしましょう。
5-1.相談する相手に気を付ける
新人看護師が転職する時には、相談する相手に気をつけましょう。
相談相手を間違うと、スムーズに退職できなくなってしまう事もあります。
また、どれが正しい意見なのか分らなくなって、混乱してしまう事があります。
新人看護師が転職する時には、周囲の人に転職すべきかどうか、どんなところに転職したほうが良いのかを相談すると思います。
この時に、職場の人に相談するのは止めておきましょう。
同じ部署の同期や、仲の良い先輩看護師に転職について相談するのはおすすめできません。
あなたが退職することを知ったら、同期や先輩看護師は、それまで仲が良くても、突然手のひらを返したように無視したり、意地悪してくる可能性があります。
また、親身になって相談に乗ってくれても、同期は基本的にその病院のことしか知りませんし、先輩看護師もほかの病院の様子などを知らない人が多いので、イマイチ参考にならないのです。
相談をするなら、他の病院に勤めている看護学校時代の同級生や家族が良いと思います。
看護学校の先生でも良いのですが、学校の雰囲気や先生の性格によっては、良いアドバイスを貰えないかもしれません。
むしろ「なんで退職するの!来年からうちの学生を採用してもらえなくなるじゃない!」と嫌味を言われる可能性もあります。
他の病院に勤めている看護学校時代の同級生
その点、他の病院で働く同級生なら、他の病院の様子を教えてもらえますし、看護師事情もよくわかっています。
家族
また、家族はあなたのことを一番に考えてくれますし、あなたのことを一番よくわかってくれていますので、相談相手として適任なのです。
看護師転職サイト
その他、民間の転職支援サイトを使って、コンサルタントに無料相談するのも良いと思います。
転職支援サイトのコンサルタントは、看護師を転職させるプロなので、いろいろな職場の細かい情報を持っていますし、看護師事情にも明るいですから。
新人看護師が転職するなら、同級生と家族、コンサルタントに相談するようにしましょう。
5-2.自己分析をする
新人看護師が転職をするなら、求人探しをする前に、自己分析をしっかり行って下さい。それが、転職成功の秘訣です。
- あなたは、なぜ転職したいのでしょうか?
- 新卒で入職した職場の何がいけなかったのでしょう?
- どうすればそれを解決できるのでしょうか?
これらをきちんと分析しておきましょう。
また、自分のやりたい看護、理想の看護は何かももう一度考え直してみてください。
転職を考える新人看護師さんの中には、急性期ではなくクリニックや介護施設で働きたいという人も多いと思います。急性期は自分のやりたい看護ではないからですね。
でも、本当に急性期には興味がないからクリニックや介護施設で働きたいのでしょうか?
ただ、急性期で働くのが辛いから、楽そうに見えるクリニックや介護施設に逃げ出したいだけではないでしょうか?
新人看護師がクリニックや介護施設に転職するのは絶対にダメというわけではありません。
でも、「急性期よりも楽そうだから」という理由でクリニックや介護施設に転職すると、高確率で転職に失敗します。
なぜなら、クリニックも介護施設も高い看護スキルを要求されますし、想像以上に大変な職場だからです。
クリニックでは、看護師の数が少ないので、たとえ採血に失敗しても、代わりにやってくれる先輩看護師はいません。
介護施設では、医師が常駐していないので、アセスメント力は必須です。そのため、クリニックも介護施設も楽な職場ではないのです。
少し厳しいことを言ってしまいましたが、急性期以外の職場に転職したい人は、「楽だから」という理由で転職するのか、「本当にそこで仕事がしたい」ので転職するのか、自分自身を見つめ直して見ると良いと思います。
5-3.意志を強く持つ
新人看護師が転職に失敗しないためには、「自分のために転職をする」という強い意志を持つことです。
「転職したい」、「もっと良い職場に転職して、今の地獄から解放されたい」という意思を強く持ってください。
新人看護師が転職するのは、簡単なことではありません。医師を強く持たないと、途中でくじけてしまうかもしれません。
最初の関門は、退職を師長に申し出る時です。
ほぼ間違いなく師長はあなたの退職を引きとめようとしますので、師長の引きとめにくじけずに、退職を許可してもらわなければいけません。
退職が決まった後も、退職日までは少し時間がありますので、少し気まずい思いをしながら働かなくてはいけないかもしれません。
退職が決まった新人看護師を丁寧に指導してくれる先輩看護師は少ないですから。
そして、採用試験の面接です。
面接では、あなたの退職理由を細かく聞いてきて、嫌味の1つや2つを言われるかもしれません。
でも、それで落ち込んでいては転職できませんので、意志を強く持って、前向きに転職するようにしましょう。
5-4.教育制度にこだわる
新人看護師が転職するなら、教育制度にこだわって下さい。
何度か説明していますが、新人看護師はまだ一人前の看護師ではありませんので、新人看護師向けの教育制度が整っている職場に転職しなければいけません。
教育制度が整っていない職場でも、その都度、先輩看護師に聞きながら働けば、何とかなるかもしれません。
でも、そういう職場では、成長速度がとても遅く、一般的な新人看護師が一人前になるより2〜3倍の時間がかかってしまう可能性があります。
さらに、行き当たりばったり指導をする職場では、「その職場限定」では仕事ができる看護師になることができます。
でも、系統的な指導を受けていないので、そのほかの職場ではイマイチ使えない、応用が効かない看護師になってしまう可能性もあるのです。
そのため、新人看護師が転職するなら、教育制度にこだわらなくてはいけません。
できれば、1人1人のスキルや達成度に応じた柔軟で臨機応変な指導をしてくれる職場が良いと思います。
5-5.新人看護師の離職率を調べる
新人看護師の離職率を調べておくことも、新人看護師が転職する時には重要なことです。
新人看護師の離職率が低い病院は、それだけ新人看護師が働きやすい環境を整えているということになるのです。
意外かもしれませんが、病床数が多いほど、新人看護師の離職率は低くなっています。
日本看護協会の「2015年 病院看護実態調査(PDF)」によると、新人看護師の離職率は次のようになっています。
病床数 |
新人看護師の離職率 |
99床以下 | 14.9% |
100〜199床 | 10.7% |
200〜299床 | 8.7% |
300〜399床 | 6.8% |
400〜499床 | 8.0% |
500床以上 | 6.5% |
このように、病床数が多くなるほど離職率は下がっていますので、新人看護師は、大規模病院を中心に求人探しをして、その中から離職率が低いところを選ぶと、働きやすい職場を見つけることができると思います。
まとめ
新人看護師の転職の「6つのステップ」、「理由別求人探しのコツ5つ」、「転職時の注意点5つ」をまとめましたが、いかがでしたか?
新人看護師の転職は基本的にはオススメできませんが、限界を感じるほど追い詰められている時には、転職して良いと思います。
ただ、新人看護師の転職は失敗できませんので、慎重に転職先を選ぶようにしてください。
「ナースレシピ」のオススメは、「はたらこねっと」「バイトル」などでおなじみの東証一部上場企業、ディップ株式会社の「ナースではたらこ」です。全国をカバーする、最新の非公開求人がたくさんあると評判です!
看護師辞めたい時の「ナースレシピ」 TOP>>