産婦人科の看護師が辞めたい理由とその解決法
[著者: 平野雅子 (看護師 /保健師).more..]
産婦人科で働く看護師が辞めたい理由
産婦人科で働く看護師が辞めたい理由にはどんなものがあるのでしょうか?産婦人科の看護師が「もう辞めたい。産婦人科は無理」と思う理由の中から代表的なものをご紹介します。
クレームが多い
産婦人科で働く看護師が辞めたいと思う理由の1つ目は、患者さんからのクレームが多いことです。
産婦人科はたくさんある診療科の中でも、とてもデリケートなことを扱う診療科ですので、その分患者さんからのクレームが多い傾向にあります。
また、出産という人生の一大イベントに夢や理想を持っている女性が多いですので、少しでも不満があると、看護師にクレームを言ってきたり、生まれたばかりの赤ちゃんが心配なあまり、理不尽な要求をしてくる患者さんや家族が多いのです。
病院側や看護師側に非があるのならクレームを言われることも仕方がありませんが、理不尽なクレームが多いと、心身ともに疲れてしまいますので産婦人科を辞めたいと思うのも無理はありません。
産科領域の仕事にかかわれない
産婦人科で働く看護師は、病院やクリニックによっては産科領域の仕事に携わることができず、婦人科のみを担当することがあります。産科は助産師、婦人科は看護師と仕事が分担されているのです。
婦人科の看護に興味がある場合は問題ないのですが、産科の看護がしたい、周産期看護に携わりたいと思っている人は、婦人科の仕事しかできないことに不満を持って辞めたいと思うようになるのです。
助産師との関係性が悪い
産婦人科では同じ看護職の1つである助産師が働いていることが多いですね。助産師は同じ看護職とはいえ、看護師とは職種が違いますから、お互いに尊重しあい、協力し合いながら働く必要があるのです。
でも、助産師の中には看護師を下に見ている人がいるのが現実です。助産師が上から目線で接してきたり、「所詮看護師でしょ」のように馬鹿にしたような態度を取ってきたら、いくら産婦人科での仕事が充実していても、産婦人科を辞めたいと思うようになりますよね。
つらい仕事が多い
産婦人科というと「命の誕生に携わることができる明るい診療科」というイメージを持っている人も多いのですが、実際は明るいことだけではないですよね。
さまざまな事情から中絶という選択をする人もいますし、出産を希望していても、流産・死産になってしまう人もいます。また、無事出産しても、命にかかわるような重篤な障害を持って生まれてくる赤ちゃんもいるのです。
このような患者さんや家族を産婦人科の看護師はケアをしなければいけないのですが、想像していてた産婦人科の看護師の仕事と違う、こんなつらい仕事ばかりでは精神的に耐えられないと思って、辞めたいと思うようになる人もいるのです。
クレームが多くて産婦人科を辞めたい場合の解決法
患者さんからのクレームが多くて産婦人科を辞めたい場合は、まずどんなクレームが多いのか、今まで受けたクレームを箇条書きにしてみましょう。
そうすると、
- 自分ですぐに対処できるもの
- 病院・クリニック全体で対処しなければいけないもの
- モンスターペイシェントとも言えるような理不尽なクレームのもの
という3つに分けることができると思います。
自分ですぐに対処できるものは、明日からきちんと対処するようにしましょう。そうすれば、クレームを未然に防ぐことができます。
次に病院・クリニック全体で対処しなければいけないクレームが多い場合は、師長に相談してください。師長に「こういうクレームが多いのですが、私1人では対処できません。クレームが多いと仕事が滞りますし、精神的にもきついので、どうにかならないでしょうか?」と病院・クリニックとしての対処をお願いするのです。
もし、病院・クリニック全体で対処してもらえなくても、今後そのようなクレームがきたら、対応を師長に任せやすくなるというメリットもあるんですよ。
モンスターペイシェントのような理不尽なクレームに関しては、1人で対応せずに、周囲の同僚や上司に助けを求めて、複数で対応するようにしましょう。
そうすると、精神的な負担は減りますし、複数を相手にするとモンスターペイシェントもトーンダウンすることが多いんです。
このような対処をしても、クレーム対応が負担になって辞めたいと思う場合は、産婦人科はほかの診療科に比べて、クレームが多いですから、産婦人科以外への転職を考えたほうが良いかもしれません。
産科領域の仕事にかかわれなくて辞めたい場合の解決法
産科領域の仕事に携われなくて辞めたい場合は、ほかの病院やクリニックの産婦人科に転職しましょう。
産科は助産師、婦人科は看護師と厳密に区別しているところもあるのですが、看護師でも産科の仕事ができる産婦人科もあるんです。
総合病院の産婦人科は、産科は助産師、婦人科は看護師としているところが多いのですが、分娩を行っている個人病院やクリニックは、看護師も産科の仕事ができることが多いようです。
ですから、看護師でも産科に携われるかどうかをあらかじめきちんと調べて、そのような病院やクリニックに転職をすれば、産婦人科を辞めたいという悩みは解決しますよ。
助産師との関係性が悪いから辞めたい場合の解決法
助産師との関係性が悪いから辞めたいと思う場合は、まずは師長に相談してみてください。
助産師が上から目線で接してきたり、命令してくるために、関係性が悪くなっていることをできるだけ事実のみを客観的に伝えるようにするんです。
この「事実のみを客観的に伝える」というのが大切です。そうしないと、ただの悪口になって、助産師ではなくあなたが悪いということになってしまう可能性があるからです。
その上で、どうしたら関係性を改善し、仕事がスムーズにできるようになるかを相談してみましょう。仕事がしやすいように職場環境を整えることも師長の仕事の1つですから、遠慮なく相談してください。
また、あなた自身が助産師を目指すという解決法もあります。あなたは、心のどこかで助産師の仕事をうらやましく思っていませんか?産婦人科の仕事が好きで、やりがいを感じていればいるほど、看護師ができることに限界を感じ、助産師をうらやましく思うことがあると思います。
その感情が、助産師との関係を悪化させている一因のかもしれませんよね。それなら、助産師を目指してしまえば、助産師との関係に悩むこともありませんし、産婦人科の仕事にさらにやりがいを感じながら働くことができるはずです。
助産師になるためには、助産師養成学校に1年間通う必要がありますし、学費の工面などが大変ですが、産婦人科の病院やクリニックの中には助産師資格取得支援制度があるところがありますので、そのような制度がある産婦人科に転職すると、助産師の資格を取得しやすくなるでしょう。
もし、あなたが助産師の資格を取ったら、看護師を下に見たりせずに、看護師と良い関係性を築きながら働いてくださいね。
つらい仕事が多いから辞めたい場合の解決法
つらい仕事が多いから辞めたい場合の解決法は、産婦人科以外の診療科へ異動・転職をすることです。
産婦人科は命の誕生に携わることができる診療科ですが、先ほど説明したように、つらいことも多い診療科です。これはもう仕方がないことなんです。
ですから、産婦人科でのつらい仕事が多くて、精神的にきつい場合は産婦人科以外の診療科への異動・転職をおすすめします。
中絶が嫌だという場合は、キリスト教系の産婦人科の病院・クリニックに転職をすれば、解決することもありますが、それでも流産や死産などの対処は避けることができないものです。
精神的な負担やストレスを抱えたまま仕事をしていると、あなたがうつ病やパニック障害などの病気になる可能性が高いですから、自分自身を守る意味でも、産婦人科以外の診療科へ異動・転職をしたほうが良いでしょう。
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