看護師1年目で妊娠!どうなる?どうする?仕事を辞めるか続けるかの判断ポイントはコレ
[著者: 平野雅子 (看護師 /保健師).more..]
看護師1年目で妊娠した場合、頭の中がパニックになると思います。
予定外の妊娠が発覚しただけでも頭が真っ白になるほどの事なのに、1年目の看護師さんは「私、まだ1年目なんだけど。仕事はどうしよう?」と仕事の心配もしなければいけないので、頭の中は大混乱になるのではないでしょうか?
1年目の看護師は妊娠しても仕事を続けていくことが出来ますが、妊娠していても職場によっては妊娠中の仕事を配慮してくれない可能性がありますし、職場の人間関係に問題が生じることもあります。
1年目の看護師が妊娠して仕事を続けた場合、(1)産休中の手当がもらえる、(2)復職後は育児短時間勤務制度を使える、(3)経済的な安定を維持出来る、(4)看護スキルの習得が続けられる、というメリットがあります。
妊娠を理由に退職した場合のメリットは、(1)出産後に自分のタイミングで復職できる、(2)ストレスフリーな妊婦生活を過ごせる、(3)体調最優先の妊婦生活を送ることができる、(4)育児と両立しやすい職場を選べる、という4つです。
1年目の看護師が妊娠したら、師長に報告して、続けるべきか退職すべきかを決めなければいけませんが、それぞれのメリットや師長の反応を見て決めるようにしましょう。
また、たとえ1年目の看護師が妊娠を理由に退職しても、出産後に落ち着いてから、看護師として再び働きだすことも出来ますので、安心してください。
1.1年目の看護師が妊娠したらどうなるの?
1年目の看護師が妊娠したら、心配なことや不安なことがたくさんあると思います。
看護師の仕事は続けていけますが、出産後は看護スキルはリセットされると考えておきましょう。
また、看護師1年目での妊娠はどうしても印象が良くないので、同期の看護師や先輩看護師、師長からはよく思われません。
ただ、妊娠して出産後に復帰すれば、努力次第で将来のキャリア的には大きな影響はないでしょう。
1-1.看護師の仕事は続けていける?
1年目の看護師が妊娠しても、看護師の仕事は続けていけます。
1年目で妊娠すると、「クビになるかも」と心配になるかもしれませんが、その心配は不要です。
妊娠したからと言って、病院はあなたを退職させることは出来ません。
「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(男女雇用機会均等法)」の第9条3項で、妊娠出産等での解雇やその他の不利益な扱いをすることは禁じられています。
また、平成29年1月1日からは、事業主はマタハラ防止措置を取る義務を課せられますので、「妊娠したから」という理由で退職させられることも、職場で不当な扱いを受けることもありません。
ですから、1年目の看護師が妊娠しても、堂々と看護師の仕事を続けていくことはできるのです。
1-2.仕事は配慮してくれるの?
1年目の看護師は、妊娠中は仕事は配慮してもらえるのか心配になると思いますが、これは職場によって大きく異なります。
妊娠中であることを配慮してくれる職場もあれば、ほとんど配慮がない職場もあるのです。
病院によっては妊娠がわかったら、すぐに夜勤回数を減らしたり、夜勤を免除してくれるところ、妊娠後期に入ったら病棟勤務ではなく、一時的に看護部直属の職場でデスクワークをするように配慮してくれるところもあります。
でも、すべての職場で配慮してくれるというわけではありません。
日本医療労働組合連合会の「看護職員の労働実態調査「報告書」」によると、妊娠中に夜勤や当直を免除してくれた職場は65.5%しかないのです。
残りの34.5%は産休に入るまで、夜勤や当直をしていたということになります。
【問3 8】妊娠時に母性保護の支援措置を受けた項目(看護職員の労働実態調査「報告書」)
そのため、妊娠中も今と同じ職場で、同じ仕事内容、同じ勤務体制で働かなければいけない可能性があるのです。
1年目の看護師が妊娠しても仕事は続けられますが、体力的にきつい中で働かなくてはいけないこともあります
1-3.看護スキルはどうなるの?
1年目の看護師が妊娠すると、看護スキルに関する不安が出てくると思います。
出産後に復帰した場合、産休までに身につけた看護スキルの大部分は忘れている、ゼロになっていることを覚悟しておいてください。
看護師が1年目で妊娠すると、看護知識や看護技術をしっかり自分のものにする前に産休に入ることになります。
産休は通常、出産予定日前6週間と出産後8週間取得しますので、最低でも3ヶ月半は看護師の仕事に離れることになります。
育児休暇を取得した場合は1年以上も仕事を離れることになるでしょう。
一人前の看護師ではない1年目の看護師が3ヶ月以上も仕事から離れたら、看護スキルをすっかり忘れてしまうでしょう。
特に、出産という特別な経験をしたり、慣れない育児に追われる日々を送っていたら、看護師の仕事のことなんて、頭の中からスッポリと抜け落ちてしまうと思います。
そのため、出産後に看護師の仕事に復帰したら、産休前までに身につけた看護スキルはリセットされていて、新人看護師として入職した当時と同じ状況になりますので、ゼロから勉強し直さなければいけないのです。
1-4.同期からはどう思われる?
看護師が1年目で妊娠すると、今まで支え合ってきた同期からは距離を置かれる可能性があります。
同期からは「辛いから逃げただけでしょ?」と思われてしまう事があるのです。
看護師1年目は、毎日毎日辛いことばかりですが、そのような辛い日々を同期と一緒に愚痴を言い合ったり、協力し合いながら乗り越えてきたと思います。
でも、あなたが妊娠をしてしまったら、同期の看護師からは「辛いことから逃げるために、妊娠したんじゃないの?」と疑われてしまうでしょう。
表面上はお祝いしてくれても、心のどこかで「ズルい」とか「逃げた」などの気持ちを持っていると思います。
また、あなたは産休に入りますので、同期とはどうしても距離ができてしまいます。
さらに、産休後すぐに復帰したとしても、そのころには同期は独り立ちして一人前の看護師になっているの対し、あなたは看護スキルがリセットされている状態ですので、どうしても同期と距離が出来てしまうのです。
1-5.師長や先輩看護師からはどう思われる?
看護師1年目で妊娠すると、師長や先輩看護師からはマイナスのイメージを持たれます。
師長や先輩看護師からマイナスのイメージを持たれると、職場での立ち位置が微妙になり、働きにくくなるかもしれません。
一人前の看護師が妊娠しても、妊娠前まではその職場に貢献してきたのですから、師長は「シフト調整しなくちゃいけないな。困ったな」と思っても、マイナスのイメージを持つことはないでしょう。
でも、あなたは1年目の看護師で先輩看護師にフォローしてもらいながら、何とか働けるような状態で、まだ職場に貢献しているわけではなく、むしろ現段階では迷惑をかけることもある状態ですから、どうしてもマイナスのイメージを持たれてしまうのです。
師長は1年目の看護師の育成・教育の年間スケジュールを立てて、それに沿いながらあなたの指導計画を作っています。
それなのに、1年目で妊娠したということは、その計画をパーにされたということになるので、イラッとします。
さらに、1年目のあなたが妊娠すると、「あなたが来年には戦力になる」という人員確保の計画も狂ってきます。
先輩看護師の場合、「今まで頑張って教えてきたのに、それが無駄になった」という理由でマイナスイメージを持つこともありますが、女としての嫉妬でマイナスイメージを持つこともあります。
看護師は婚期が遅めで、結婚を焦っている人が多いのです。
そのような中で、1年目のあなたが妊娠したとなると、女として「ズルい!」という嫉妬の気持ちが生まれてきて、「仕事ができないくせに、妊娠はできるんだ〜」のような嫌味を言われたりすることもあるでしょう。
1-6.看護師としての将来のキャリアはどうなる?
看護師としての将来のキャリアは、1年目で妊娠した場合は、当然不利になります。
ただ、出産後に復帰してからの努力次第で、その不利な状況を挽回することはできるでしょう。
1年目で妊娠すると、産休・育休に入ることで、看護スキルがリセットされますので、同期の看護師から遅れをとります。
そのため、管理職になるにせよ、認定看護師や専門看護師などのスペシャリストを目指すにせよ、どうしても不利になります。
また、管理職になる場合は特に、職場での信用、上司からの信頼が重要になります。
1年目の看護師が妊娠してしまうと、「軽率な人」、「計画性がない人」というイメージを持たれますので、将来の管理職が遠のいてしまうかも知れません。
ただ、出産後に復職してから、看護師として早く成長できるように努力したり、育児と両立しながらもバリバリ働いたり、無計画な妊娠をせずにその職場で長く働けば、上司からの信頼を取り戻すことが出来るので、将来のキャリアに関する不利な状況を挽回することが出来るはずです。
2.1年目の看護師が妊娠したらどうする?
1年目の看護師が妊娠したら、できるだけ早めに師長に報告してください。
それから、その職場で働き続けるか、退職するかを決めると良いでしょう。
1年目で妊娠しても、退職をする必要はないのですが、妊娠した1年目の看護師が働きにくい職場の場合は、あなたとお腹の赤ちゃんを守るために、退職する選択肢も考える必要があるのです。
2-1.とにかく師長に報告
1年目の看護師が妊娠したら、すぐに師長に報告しましょう。
できるだけ早く師長に報告することで、身体への負担を最小限にすることが出来ますし、今後どうすべきか考える時間を確保することができます。
通常は、妊娠したことを上司に報告するのは、赤ちゃんの心拍確認ができた後の妊娠8〜10週が良いとされています。
でも、1年目の看護師は妊娠がわかったらすぐに、つまり妊娠5〜6週の時点で報告すべきなのです。
なぜなら、看護師の仕事は力仕事が多いですし、夜勤がありますので、身体に負担がかかります。
しかも、レントゲンやCTなど放射線を浴びる機会も多いですね。
そのため、あなたの身体を守るためにも、おなかの赤ちゃんを守るためにも、師長には早めに報告して、仕事内容や勤務シフトを配慮してもらう必要があるのです。
また、1年目の看護師が妊娠したら、今後どうしていくべきか、師長に相談して決める必要があります。
そのため、職場への報告は安定期に入ってからで構いませんが、上司である師長にはできるだけ早く報告しておくことをおすすめします。
「1年目なのに妊娠したことを報告したら、嫌味を言われたり怒られるかも」と思って、なかなか報告する気になれないかも知れませんが、いずれは報告する必要がありますので、早めに報告してください。
2-2.続けるか退職すべきかを決める
妊娠した1年目の看護師は、そのまま職場で働き続けるか、退職するかを決めましょう。
妊娠した1年目の看護師が、そのままその職場で働いていくのは、ハッキリ言って大変です。
1年目の看護師が妊娠しても退職する必要はありませんし、退職させられることもありません。
ただ、先ほども説明したように、同期からは距離を置かれる可能性があり、師長や先輩看護師からはマイナスイメージを持たれ、職場によっては夜勤の免除もありません。
そのため、1年目の看護師は妊娠したらその職場を退職するという選択肢も考慮しておきましょう。
続けるか退職するかは、次にご紹介するそれぞれのメリットを比較して決めても良いですし、妊娠を師長に報告した時の師長の反応を見て決めても良いでしょう。
師長が親身になって相談に乗ってくれたり、今後のシフトや仕事の配慮などを真剣に考えくれるようであれば、お腹が大きくなってもその職場で働いていくことができるでしょう。
ただ、師長が「あなた、また1年目なのに妊娠しちゃったの?何考えているの?」など、どうにもならない事をグチグチと嫌味を言ってくるようであれば、その職場は退職した方が良いかもしれません。
1年目の看護師が妊娠したら、早めに師長に報告して、続けるべきか退職すべきかを決めましょう。
3.妊娠した1年目の看護師が今の職場で働き続けるメリット
妊娠した1年目の看護師が、今の職場で働き続けるメリットは以下の4つがあります。
1.産休中の手当がもらえる(場合によっては育児休暇中も)
2.復職後は育児短時間勤務制度を使える
3.経済的に安定する
4.看護スキルを習得できる
妊娠しながら働くのは大変ですが、頑張って働き続けると、これらのメリットがあります。
3-1.産休中の手当がもらえる(場合によっては育児休暇中も)
妊娠後も今の職場で働き続けると、産休中の手当がもらえます。
もし、育児休暇も取得できるなら、育児休暇中の手当ももらえるのです。
産休・育児休暇中は仕事をしなくても、手当をもらうことが出来ますので、出産費用や育児費用に充てることが出来ます。
あなたは今働いている職場で、健康保険に加入していると思います。
産休中は給料が支払われないことが多いのですが、健康保険組合から出産手当金が支給されるのです。
出産手当金の支給額は、「支給開始日の以前12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額÷30日」の3分の2が1日当たりに支給される金額となっています。
1年目の看護師は「支給開始日以前12ヶ月間」を働いていない可能性がありますので、その場合は入職してから産休に入るまでの報酬月額を平均した額、もしくは28万円のどちらか少ない方を30日で割った額の3分の2が支給されることになります。
要するに、出産手当金は基本給の3分の2が支払われると考えると良いでしょう。
また、育児休暇を取得した場合は、育児休業給付金の支給を受けることができます。
出産手当金は健康保険から支給されるものでしたが、育児休業給付金は雇用保険から支給されます。
育児休業給付金の金額は、育児休暇開始日から6ヶ月までは給料の67%、6ヶ月以降1年までは50%となっています。
ただ、この育児休業給付金は育児休暇に入る前に12ヶ月以上働いていないと支給されませんので、入職後すぐに妊娠した看護師さんや、入職前から妊娠していた看護師さんは、育児休業給付金を貰うことは出来ません。
3-2.復職後は育児短時間勤務制度を使える
妊娠後も仕事を続けるメリットは、復職後に育児短時間勤務制度を使えることです。
育児短時間勤務制度は、常勤(正社員)として働きつつも、短時間勤務でOKという子育て支援制度なので、育児短時間勤務制度を使えば、仕事と育児を両立させることが出来るのです。
育児短時間勤務制度は3歳未満の子どもがいる職員は、1日6時間勤務で良いという制度です。
3歳未満の子どもがいる場合は、希望すれば育児短時間勤務制度を使うことができます。
育児短時間勤務制度を設けるのは、職場の義務とされていますから、どの職場でも希望すれば育児短時間勤務制度を使って働くことができます。
3歳以上就学前の子どもがいる場合に育児短時間勤務制度を使用できるかどうかは、職場の努力義務となっていますので、お子さんが3歳になった後は育児短時間勤務制度を必ず使えるとは限りません。
それでも、就学前まで育児短時間勤務制度を使える職場が多いので、お子さんが小学校に上がる前までの6年間は常勤のまま短時間勤務で働けると思います。
常勤のまま短時間で働くことが出来れば、短時間勤務で良いので、子どもと触れ合える時間を確保できますし、体力的にも楽になります。
さらに、常勤ですのでボーナスや住宅手当、扶養手当などを貰えますし、その他の福利厚生も利用できます。また身分的にも安定するのです。
育児短時間勤務制度を使わせるのは職場の義務ですので、「今退職して、出産後に再就職しても使えるのでは?」と思うかもしれませんが、面接時に「育児短時間勤務制度を使いたいです」と伝えてしまうと、不採用になる可能性が高いでしょう。
3-3.経済的に安定する
妊娠後も仕事を続ければ、経済的に安定します。
仕事を続けて、毎月きちんと給料を貰えれば経済的な不安なく、安心して出産に臨むことが出来るでしょう。
妊娠がわかってからすぐに退職すると、その時点で収入は途絶えます。
出産手当金も支給されない可能性が高くなります。(出産日または予定日より42日以内に退職していて、退職日にはすでに産休に入っている場合は支給あり)
また、1年目で退職すると退職金もないですし、失業手当も貰えません。
でも、頑張って仕事を続ければ、産休に入るまで給料を貰えて、産休に入れば出産手当金を貰えます。
その後、育児休暇が取得できれば、育児休業給付金を貰えて、希望すればすぐに復職できて、また給料を貰えますので、経済的に安定するのです。
子育てにはお金がかかりますので、経済的に安定していれば、出産もその後の育児も前向きに臨むことが出来るはずです。
3-4.看護スキルを習得できる
1年目の看護師が妊娠しても仕事を続ければ、看護スキルを習得できます。
看護師の仕事を続ける期間が長ければ長いほど、そして離れる期間が短ければ短いほど、看護スキルを習得でき、しっかり覚えていることが出来ますので、出産後も楽に復帰できるのです。
例えば、入職後すぐに妊娠して2月に出産予定だったとします。妊娠3ヶ月で7月に退職した場合と、臨月直前の1月まで働いた場合、看護師としての成長度は全然違います。
また、出産後半年で復帰しようと思った場合、妊娠3ヶ月で退職した人は1年間もブランクがあるのに対し、臨月直前まで働いた場合は6〜7ヶ月しかブランクがないのです。
仕事があまりできない状態で1年のブランクがある場合と、ある程度仕事ができるようになってから半年のブランクがある場合では、復職後の苦労は全然違います。
出産後に復職を考えている人は、復職後にできるだけ楽に仕事に慣れたいなら、仕事を続けたほうが良いのです。
4.妊娠した1年目の看護師が退職した場合のメリット
妊娠した1年目の看護師が退職した場合のメリットは次の4つがあります。
1.出産後に自分のタイミングで復職できる
2.ストレスフリーな妊婦生活を楽しめる
3.体調最優先の妊婦生活を送ることが出来る
4.育児と両立しやすい職場を選べる
1年目の妊娠した看護師が退職すると、自分の都合を優先できる、ストレスが少ないなどのメリットがあります。
4-1.出産後に自分のタイミングで復職できる
妊娠した1年目の看護師が退職した場合、出産後に看護師の仕事をしようと思った時には、自分のタイミングで復職できるというメリットがあります。
出産後に赤ちゃんとの時間をゆっくり取ることが出来ますし、産後の肥立ちが悪い時も回復に専念することが出来るのです。
仕事を続けた場合、産休は出産後8週間しかとることが出来ません。
その後に育児休暇を取得したとしても、基本的に子どもが1歳になるまでしか取得できません。つまり、出産後1年後には復職しなければいけないのです。
しかも、1年目の看護師の場合は、育児休暇が必ず取得できるとは限りません。
産休は労働基準法第65条で、産前休暇は希望したら取得できること、産後休暇は希望に関係なく必ず休まなくてはいけないことが定められています。
そのため、産休は1年目の看護師でも必ず取得することが出来ます。
育児休暇は育児・介護休業法に定められている休暇ですが、産休後(出産後8週後)に育児休暇を取得したいと申し出があった場合は、子どもが1歳になるまで育児休暇を取得することができ、職場は申し出を拒否することは基本的にできません。
でも、1年目で育児休暇を申請する場合は別です。
就職して1年未満の看護師が育児休暇を申し出た場合、労働組合と職場の取り決めによっては、育児休暇を申請しても拒否されるのです。
もし、育児休暇を取得できなかった場合、産休が終わったら、つまり産後9週目からはまた職場に復帰しなくてはいけません。
産後9週目からハードな看護師の仕事をするのはきついと思います。
でも、妊娠中に退職すれば、産休・育児休暇に関係なく、育児に専念できて、「また働こうかな?」と思った自分のタイミングで復職することが出来るのです。
4-2.ストレスフリーな妊婦生活を楽しめる
妊娠した1年目の看護師が退職すると、ストレスフリーな妊婦生活を楽しむことが出来ます。
妊娠中はストレスは厳禁ですが、看護師の仕事をしていると、どうしてもストレスを感じてしまいます。
でも、思い切って退職してしまえば、ストレスとは無縁の妊婦生活を楽しむことが出来るのです。
1年目の看護師は妊娠していなくても、常にストレスフルな状態で働かなくてはいけません。また、患者さんの移動介助や体位交換などの力仕事もありますし、夜勤に入らなくてはいけないこともあります。
さらに、妊娠したことで同期と距離ができたり、先輩看護師から厳しくされたり、嫌味を言われたりする事もありますので、さらにストレスは増えるかも知れません。
その点、退職すれば仕事がらみのストレスは一切なくなりますから、たった10ヶ月しかない貴重な妊娠期間を楽しく過ごすことが出来るでしょう。
妊娠中は、本来ならとても幸せな期間です。お腹の赤ちゃんと一心同体で過ごせる貴重な時間なんですから。
その貴重で幸せな期間を、ストレスフルな状態で過ごすのはもったいないかなと私は思います。
4-3.体調最優先の妊婦生活を送ることができる
1年目の妊娠した看護師が退職すると、体調最優先の生活を送ることが出来ます。
妊娠中はあなたが体調管理をしっかりしておかないと、お腹の赤ちゃんに大きな影響を与えますので、体調最優先の生活を送ることが出来ることは、とても大きなメリットと言えるでしょう。
妊娠中の看護師は切迫流産や切迫早産、その他のトラブルが起こりやすいのです。
【問3 7】妊娠時の状況について(看護職員の労働実態調査「報告書」)
看護師の切迫流産率は29.8%もあります。妊婦全体の切迫流産率は15%とされていますので、看護師の切迫流産率は非常に高いのです。
これは、体力的にも精神的にもハードであることや夜勤があることが関係していると考えらえます。
切迫流産や切迫早産になったら、仕事を休んで、安静にしていなければいけません。
仕事を休むときには、普通の看護師さんだったらまずは有給を使うのですが、1年目の看護師は入職後半年しないと有給がもらえません。
しかも入職後半年経っても、10日程度しかもらえませんよね。有給を使い切ってしまったら、あとは病気休暇になりますが、申請しにくくて、無理して働かなくてはいけないこともあるでしょう。
また、1年目の看護師の場合、仕事中にお腹が張っても、なかなか「休ませてください」と言えなくて、つい無理をしてしまうこともあると思います。
無理をすれば、切迫流産になりやすいですし、切迫流産なのにさらに無理をすれば、流産をしてしまうリスクが高くなります。
仕事を続けていると、このようなリスクがありますが、退職すれば、規則正しい生活をして、無理はせず、お腹が張ったらすぐに休むという生活を送ることが出来ますので、お腹の赤ちゃんの成長のためにも、あなた自身の健康のためにも大きなメリットになるのです。
もし、仕事を頑張りすぎて流産をしてしまったら、あなたは後悔してもしきれないのではないでしょうか?
職場があなたの体調に最大限の配慮をしてくれるならともかく、配慮がなさそうな職場なら、私だったら退職してしまうと思います。
赤ちゃんの命と看護師の仕事、どちらがかけがえのないものでしょうか?考えるまでもないですよね。
看護師の仕事なんて、出産して落ち着いてから、また働けばすぐに取り戻すことができますが、赤ちゃんの命は失ったらもう二度と取り戻すことが出来ないのです。
4-4.育児と両立しやすい職場を選べる
1年目の妊娠した看護師が退職すると、次に復職する時は育児と両立しやすい職場で働けるというメリットがあります。
看護師の仕事と育児を両立させるのは大変ですが、職場を選べば、仕事と育児を両立させることが出来ます。
妊娠前の職場が育児と両立しやすい職場であれば、そのまま働き続けても、育児と仕事を両立させることが出来ますが、そうでない場合は、出産後に復職するととても苦労するどころか、保育園が見つからずに復職できないという事態にもなりかねません。
でも、妊娠中に退職すれば、復職する時には新し職場を探すことになりますので、育児と両立しやすい職場を選べば、苦労なく復職することが出来るのです。
育児と仕事を両立させやすい職場の条件は後ほどご紹介します。
妊娠を理由に退職すると、お腹の赤ちゃんとあなたを大切にできるのです
5.看護師が妊娠で1年目に退職した後に復職する職場の3つの条件
看護師が妊娠したことで1年目に退職した場合、復職することは可能です。
ただ、妊娠を理由に1年目に退職した看護師さんは、復職する場合は次の3つの条件を満たす職場を探す必要があります。
1.教育制度が整っているところ
2.院内託児所があるところ
3.ママさん看護師が多いところ
この3つの条件を満たせば、看護師の仕事に復帰した後も、育児と仕事を両立させることが出来るはずです。
5-1.教育制度が整っているところ
妊娠を理由に退職した1年目の看護師さんは、教育制度が整っている職場に復帰しましょう。
教育制度が整っているところでないと、きちんとした看護スキルを身につけられないのです。
1年目で退職した場合、看護スキルをきちんと身につける前に退職したと思います。さらに、退職後から復職するまでブランクがあります。
そのため、最初にも言いましたが、退職前に身につけた看護スキルはリセットされていると思ってください。
1年目の看護師が看護スキルを一から学ぶためには、教育制度が整っているところで働かなければいけないのです。
教育制度が整っていて、あなたも一から学ぶつもりで努力すれば、1年目で退職した遅れを取り戻すことができるでしょう。
5-2.院内託児所があるところ
妊娠を理由に退職した場合は、院内託児所がある職場を選んでください。
院内託児所がある職場なら、保育園探し「保活」をしなくて済みますし、保育料も安いのです。
子育て中のママが仕事に復帰するためには、子どもを預ける保育園を探さなくてはいけませんが、お住いの地域によっては保活が大変です。
保育園入園の倍率が高く、「保育園の抽選に落ちた!」と預ける場所を確保できなかったという事もあるでしょう。
また、保育園の利用料金は3歳未満はとても高く、0歳児を預ける場合、所得によっては月10万円近くの保育料を支払わなければいけないこともあります。
月10万円も支払うなんて、何のために働くのか分らなくなってしまうと思います。
でも、院内託児所がある職場を探せば、保育園の心配をする必要はありませんし、病院から補助金が出ていますので相場よりも安く利用することができます。
また、24時間対応で夜勤に入れる託児所や病児保育をしている託児所もありますし、院内に託児所があれば送り迎えがとても楽ですので、時間の節約にもなります。
5-3.ママさん看護師が多いところ
妊娠を理由に退職した1年目の看護師さんは、ママさん看護師の割合が多い職場を選びましょう。
ママさん看護師が多ければ、育児をしながら仕事をする大変さを理解してくれますので働きやすいのです。
例えば、子どもが熱を出した時には、あなたが仕事を休んでお子さんの看病をしなければいけません。
独身の看護師が多いと、子育ての大変さを理解してもらえませんので、「あの人、いつも休んでばかり。迷惑なんだけど」と思われてしまうことがあります。
でも、ママさん看護師が多いと、「子どもの病気なら仕方がないよね。お互い様だし。」と思ってもらえるので、職場で肩身の狭い思いをしなくて済むのです。
そのため、出産後に復職するなら、ママさん看護師が多いところを選ぶと育児と仕事を両立させやすいのです。
出産後に復職するなら、教育制度が整っていて、院内託児所があって、ママさん看護師が多いところがおすすめです!
まとめ
看護師が1年目で予定外に妊娠してしまったら、師長に早めに報告して、続けるべきか退職すべきかを決めましょう。
それぞれのメリットがありますので、どちらのメリットがあなたにとって大きいか、また報告した時の師長の反応を考慮して決めると良いでしょう。
「師長に報告したくないなぁ。どうせ怒られるから」となかなか報告できなかったり、続けるべきか退職すべきかなかなか決断できない事もあるでしょう。
でも、お腹の赤ちゃんのことを第一に考えて、赤ちゃんとあなたにとって最善な決断をするようにしてください。あなたはもうママになるのですから。
続けるにしても、退職するにしても、大変なことや嫌なことはたくさんあると思います。でも、頑張って乗り越えましょうね。「母は強し」ですよ!
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