看護師辞めたい1年目|辞めると絶対損する3つの理由&上手な乗り切り法7つ
[著者: 平野雅子 (看護師 /保健師).more..]
「看護師になるんじゃなかった」とか「あぁ、今すぐ辞めたい」、「看護師なんて辞めてやる!」と思っている1年目の看護師は、あなただけではありません。
みんな看護師1年目の頃は、1度は絶対に「看護師辞めたい」と思うものなんです。
私の場合、1度や2度ではありませんでした。
1年目の頃は、毎日毎日思っていました。
出勤前にはため息をつき、ひどい時にはポロリと涙が流れ、うつむき加減で出勤しました。
病院に一歩入ると、重りを背負ったような気持ちになる…
1年目の看護師はみんなこんなものなんです。あなただけではありません。
今は本当につらいですが、今辞めるのはもったいないので、何とか1年目をうまく乗り切りましょう。
そうすれば、「看護師になって良かった」と思える未来が必ずやってきます。
1年目で辞めると絶対損する3つの理由、1年目を上手に乗り切る7つの方法をまとめました。
目次
1. 看護師1年目はリアリティショックで辞めたいと思うもの
2. ちょっと待って!看護師を1年目で辞めるのはこんなに損です!
2-1. もう少しで楽になるのに損!
2-2. 金銭的に損!
2-3. 将来的にも損!
3. 看護師1年目をうまく乗り切る7つの方法
3-1. カウントダウンしていく
3-2. 必死に仕事を覚える
3-3. 報・連・相は徹底する
3-4. どこの世界にも変な人はいるものだと割り切る
3-5. インシデントは次に活かす
3-6. ストレス解消法を見つける
3-7. 休みの日は勉強しない
4. どうしても辞めたいなら1年目でも転職を考えて
5. まとめ
看護師1年目はリアリティショックで辞めたいと思うもの
看護師1年目は、みんな辞めたいと心から思っているものです。
辞めたいと思っているのはあなただけではありません。みんな一緒なんです。
日本看護協会の「2016年 病院看護実態調査」結果速報(PDF)によると、新人看護師の離職率は7.8%なっています。
新人看護師の13人に1人は1年目で退職しているということです。
実際に退職したのは13人に1人でも、辞めたいと悩んでいて、ぎりぎりで踏みとどまっている人は、もっとたくさんいるはずです。
なぜ、1年目の看護師がみんな辞めたいと思うのか。それは、リアリティショックに陥るからです。
「リアリティショック」という言葉は、皆さん聞いたことがあると思います。
リアリティショックは、簡単に言えば、想像していた看護師生活と、実際の生活・現実が全く違うことにショックを受けて、うまく適応できなくなることです。
理想と現実のギャップですね。
あなたは看護学生の頃に、こんなに1年目が辛いだなんて、想像していましたか?
看護学生の頃は、実習が辛くて辛くて、さらに国家試験のプレッシャーがあったから、「国家試験に受かれば楽になる!楽しい看護師ライフが待っている!」と思っていたはずです。
でも、現実は違いましたよね。
看護学生の頃が懐かしく思えるほど、辛い毎日を送っていると思います。
今、あなたはリアリティショックに陥っているのです。
1年目の看護師が辞めたいと思うようなリアリティショックに陥る原因はたくさんあります。
- 基本的な看護業務ができない
- 急変など想定外のことに対応できない
- 先輩看護師が怖い
- 夜勤が辛い
- 休みが少ない
- 自分の看護観とは違う看護をしなければいけない
- 患者の嫌がることでもやらなければいけない
- 患者の死に精神的に対応できない
- 生と死のケアの切り替えができない
- 余裕がなくイライラする自分に自己嫌悪
- 学校で習ったことと臨床でのやり方が違う
- 患者とうまくコミュニケーションが取れない
- 患者や家族から文句を言われる
簡単に挙げただけでも、リアリティショックには、これだけの原因があるのです。
これらのリアリティショックの原因を見て、「そうそう、わかる!」とうなづいた人は多いのではないでしょうか?
1年目の看護師はこのようなリアリティショックに陥るので、看護師の仕事を辞めたいと思うのは仕方がないことなのです。
ちょっと待って!看護師を1年目で辞めるのはこんなに損です!
上で挙げたようなたくさんの原因でリアリティショックに陥る1年目の看護師が辞めたいと悩むのは仕方がないことです。
だからといって、そのまま辞めてしまうのは、ちょっと待ってください!
「辞めたいから辞める。」それも一つの選択肢です。
だからと言って、1年目で看護師の仕事を辞めてしまうのは3つの点で非常に損します。
【1】もう少しで楽になるのに損!
1年目で看護師を辞めるのがもったいない理由の1つ目は、もう少しで楽になることです。
おそらく、今よりも辛くなることはありません。
今が一番の「辞めたい」ピークと考えて良いでしょう。
糸嶺一郎「新卒看護師のリアリティショックに関する研究の動向と課題〜過去20年の文献から〜」(PDF)によると、新人看護師がリアリティショックに陥るのは、入職後3ヶ月前後としています。
私の自分の経験でも6〜7月ごろが一番つらかったと思います。
そして、それ以降は仕事を覚えるにつれて、少しずつ楽になっていきました。
そして、2年目になると、一気に楽になったんです。
これは、
- 1年目で頑張って仕事を覚えたからという理由もありますが、
- 新しい1年目の看護師が入職してくることで、先輩看護師の厳しい目が自分から離れた
という理由もあります。
先輩看護師に監視されていると感じなくなるので、精神的に楽になるのです。
今は看護師の仕事にやりがいを感じて、バリバリ働いている先輩看護師でも、みんな口を揃えて「1年目には絶対に戻りたくない!」と言います。
そして、「2年目になったら、気持ちに余裕ができるんだよね。」とも言うんです。
あなたは、今、入職何ヶ月目ですか?
もし、3ヶ月以上経っていたら、これ以上辛くなることはありません。少しずつ楽になっていくだけです。
そして、2年目になったら、本当に楽になります。
もうちょっとだけ我慢すれば楽になるんです。だから、1年目の今、辞めてしまうのはもったいないです。
【2】金銭的に損!
1年目の看護師が辞めるのがもったいない理由の2つ目は、金銭的な理由です。
看護師になるために、あなたはいくら今までに払いましたか?
あなた自身は払っていないかもしれませんが、ご両親が看護学校の学費を出してくれていたと思います。
学費はもろもろ合わせて100万円以上はかかっていると思います。
私立の看護大学に行っていた人は、100万円どころではないですね。
今、看護師を辞めてしまったら、看護学校に払ったお金はどぶに捨ててしまうことになります。
また、過去のお金だけではなく、未来のお金も損してしまいます。
看護師は、給料が高い仕事なんです。
厚生労働省の「平成28年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年収は480万円。
国税庁「平成27年分民間給与実態統計調査結果」(PDF)によると、民間の仕事の女性の平均年収は276万円です。
看護師を辞めると、単純計算で年間200万円は損をすることになります。
あなたは、今何歳ですか?看護師1年目ですから、22〜23歳の人が多いと思います。
定年退職まで看護師を続けたとすると、あと25年は働きます。
25年×200万円=5,000万円です。
今、看護師を辞めると、5,000万円の損をすることになるんです!
もったいないと思いませんか?
1年目で看護師を辞めると、5,000万円を手放すことになります。
そう考えると、もったいないどころか、恐ろしいですよね。
【3】将来的にも損!
1年目で看護師を辞めるともったいない理由、最後は将来的にもったいないという理由です。
看護師を辞めると、いろいろもったいないことが起こります。
婚活・結婚に有利な看護師
例えば、結婚。看護師は男性に人気の職業です。何と言っても、白衣の天使ですから。
しかも、最近は共働きが主流で、女性には結婚後も働いてほしい、正社員でいてほしいという男性が増えています。
いつでも正社員(常勤)の働き口があり、ほとんどの職場で産休・育休をしっかりとれる看護師は結婚に有利な職業です。
看護師は経済的に自立出来る
また、これは女性でも経済的に自立出来ると言う事でもあります。
自分一人で、お金が十分に稼げないから、自由がない、自立出来ない、あるいは誰かに束縛される、と言ったことがありません。
万一の時は、シングルマザーとして一人で子供達を立派に育てることだって全然可能です。
看護師は社会的な信用が高い
また、看護師は経済的に安定しているので、社会的に信用の高い職業です。
そのため、将来的にマイホームのローンを組もうと思った時でも、ローン審査が通りやすいのです。
看護師を辞めてしまったら、正社員になること自体が難しいので、良い条件で結婚できないかもしれませんし、離婚したら苦労するかも知れませんし、また、希望したマイホームを持てないかもしれません。
看護師1年目をうまく乗り切る7つの方法
看護師1年目をうまく乗り切るためにはどうしたら良いのでしょうか?
看護師1年目は、リアリティショックで辛いことがたくさんあります。
でも、1年目で辞めてしまうのは本当にもったいないので、何とかうまく乗り切りましょう。
楽しく働くことを目指す必要はありません。
何とかのらりくらりとごまかしながら、乗り切るようにしましょう。
看護師1年目をうまく乗り切るためには、一息つける日、楽しみな日などまで、カウントダウンしていきましょう。
例えば、夏休みに入るまでのカウントダウン。その次は、冬のボーナスをもらうまで。次が3月31日まで。
少しずつ、期間を区切って、カウントダウンしていきましょう。
自分の部屋にカレンダーを貼って、1日が終わったらその日にバツ印を書いて、カウントダウンしていくと、「あと〇日」とわかるようになるので、仕事へのモチベーションを保ちやすくすることができます。
「2年目になれば楽になる!」、これを合言葉にして、1年目の辛い日々を乗り越えるようにしましょう。
1年目の辛い日々を乗り切るためには、必死に仕事を覚えましょう。結局のところ、これが一番の解決法なんです。
リアリティショックの原因にはいろいろありますが、仕事ができるようになると、ほとんどの原因を解決できるのです。
仕事ができるようになれば、心にも時間にも余裕が生まれます。
また、先輩看護師に怒られなくなります。
だから、1年目の看護師はとにかく必死に仕事を覚えるしかないんです。
仕事を早く覚えるには、常にメモを取るようにしましょう。
先輩に教えてもらったことはすぐにメモをしましょう。
そして、メモしたものは、勤務後に整理するようにして下さい。
メモしただけでは覚えませんし、勤務中にその場でメモしたものは走り書きのようになっているので、あとから見返しても、よくわからないことが多いのです。
勤務中にメモしたものは、勤務後に整理してまとめておくようにすれば、着実に仕事を覚えていくことができます。
また、タイマーや付箋を活用すれば、時間でやるべきこと、指示されたことを忘れずに仕事をすることができるでしょう。
また、あなたが必死に頑張っている姿を見れば、先輩看護師もあなたの頑張りを認めて、優しく接してくれたり、丁寧に指導してくれたりするようになるでしょう。
1年目を乗り切るためには、報・連・相を徹底してください。
1年目の看護師が、先輩から小言を言われないためには、報・連・相つまり、「報告・連絡・相談」を欠かさないようにしなければいけません。
これを怠ると、
- 「なんで相談しないの?」
- 「なんで自分の判断でやっちゃったの?」
- 「1人でできると思った?なんで?できないよね?」
のように小言が次から次へと飛んできます。
- ちょっとでも疑問に思ったり迷ったりしたら、まずは相談。
- 指示されたことが終わったら報告。
- 連絡すべきことなどがあったら、後回しにせずに連絡する。
これを徹底してください。
タイミングによっては、「はぁ?今忙しいんだけど。」と言ってきたリ、ちょっと迷惑そうな顔をする先輩看護師もいると思います。
でも、それでめげてしまって、「報告・連絡・相談」しなかったときの方が、延々と小言が続きます。
先輩が忙しいかどうかなんて関係なく、1年目はとにかく「報告・連絡・相談」を徹底しましょう。
看護師1年目を乗り切るためには、「どこの世界にも変な人はいるものだ」と割り切ることも大切です。
「なんでこんなに性格が悪いの?」と思えるような先輩看護師はいませんか?
たとえば、あなたが少し手が空いた時に「何かお手伝いできることはありませんか?」と聞くと、「新人のくせに先輩の仕事を手伝おうなんて生意気!仕事は自分で見つけるものだから。」とか言う。
そこで、次に手が空いた時は、自分でできることを探して仕事をしていると、「先輩の仕事を手伝わないなんて生意気!」と言われる。
こういうことって、よくありますよね。こういう理不尽なことをいちいち気にしていたら、やっていけません。
理不尽な先輩看護師に振り回されると、精神的に疲れます。
このような先輩看護師は気にしないのが一番です。変な人はどの世界にもいるものですから。
理不尽なことを言われたり、どうでも良いことで嫌味を言われたりしたら
「あぁ、この先輩、後輩看護師に嫌味を言うことでしか、ストレス解消ができないんだなぁ。可哀想に。」
と心の中で上から目線で憐れんであげて下さい。
1年目の看護師はインシデントを起こすことが多いと思います。これは仕方がありません。
「どうすると安全に看護ができるか」、「どうするとインシデントを防ぐことができるか」を、マニュアル上では分っていても経験値が圧倒的に不足しているからです。
1年目の看護師はインシデントを起こすと、寿命が縮むのではないかと思うほど心臓がバクバクしたり、「私、このまま看護師を辞めなくちゃいけないかも」と思い悩んでしまうこともあると思います。
インシデントは起こさないのが一番ですが、起こしてしまったら、「あぁ、私ってダメな看護師」と思わずに、「どうしてインシデントを起してしまったのか」、「どうしたら起さずに済んだのか」を考えてください。
そして、もう二度と同じインシデントを起こさないようにしましょう。
心の中では「私は1年目だからインシデントを起こしても、ある意味仕方がない」と言い訳して自分のことをあまり責めないでください。必要以上に落ち込む必要もありません。
それよりも、前を向いて、同じインシデントは起こさないように気を付けることが大切なんです。
1年目の看護師は、ストレス解消法を見つけておくことも大切です。
1年目の看護師は、ストレスが溜まるのは避けることができません。
リアリティショック満載の日々なのですから、ストレスは毎日感じているのです。
そのストレスを解消しなかったら、ストレスは徐々に溜まっていって、パンクするだけになります。
ストレスでパンクしたら、自律神経失調症になったり、うつ病になったり、適応障害で体調を崩してしまいます。
そうなると、「辞めたい」どころか「辞めざるを得ない」状況になってしまいます。
そうならないためにも、自分なりのストレス解消法を見つけておきましょう。
- 大声で歌う
- 泣ける映画やドラマを見る
- 同期で愚痴大会を開く
- 美味しい食事&お酒を楽しむ
- プチ贅沢をする
- 休日はアラームをかけずに寝る
これらはおすすめのストレス解消法の一例ですが、自分なりのストレス解消法を見つけて、頭の中から仕事のことを追い出す時間を作りましょう。
看護師1年目をうまく乗り切るためには、休みの日は勉強をしないようにしましょう。
「1年目はとにかく勉強!」と先輩看護師から言われていると思います。
だからといって、休みの日まで勉強する必要はありません。
休みの日はきちんと休んでください。
休みの日まで勉強を強要するような職場は、ハッキリ言って古い考えのブラックな職場です。
オンオフの切り替えをしっかりして、リフレッシュしながら働くためにも、休みの日は勉強をしない。
しっかり休んで、あなたの好きなことをするようにすると、1年目をうまく乗り切れると思います。
どうしても辞めたいなら1年目でも転職を考えて
ご紹介したうまく乗り切る方法を実践しても、どうしても辞めたいということもあると思います。
複数の先輩看護師から嫌がらせをされたり、休みの日まで勉強を強要されたり、どうしても我慢できないこともありますよね。
そういう時は、看護師の仕事を辞めるのではなく、「職場」を変えましょう。看護師として転職するんです。
1年目での転職は、安易におすすめできるものではありません。
でも、自分なりに頑張ったのに、どうしても今の職場になじめない、どうしても無理という場合は、転職してしまったほうが良いと思います。
看護師自体を辞めるよりはずっとマシです。
1年目での転職は、「第二新卒」としての転職になりますので、
- 第二新卒を積極的に採用していて
- 離職率が低い職場の中から
- あなたの希望に合った職場
を選んで転職すると良いでしょう。
まとめ
1年目の看護師はリアリティショックに陥って、辞めたいと思うようになります。
でも、辞めたいからといって辞めてしまうのは、本当にもったいないので、ここが踏ん張りどころです。
ご紹介した7つの方法で、のらりくらりとうまく乗り切りましょう。
そして、2年目になれば一気に楽になって、「あの時、辞めないで本当に良かった!」と思えるはずです。
ただ、どうしても辞めたいという場合は、看護師の仕事を辞めるのではなく、転職して職場を変えるのがベストです。
ただでさえ大変な今、転職なんて無理!と感じる方は、看護師専門の転職サイトに登録して、無料のコンサルを受けてみるといいでしょう。
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