人間関係で看護師を辞めたい!と思わないための8つのポイント
[著者: 平野雅子 (看護師 /保健師).more..]
看護師の仕事をしていると、職場内での人間関係に悩むことが多くなります。
職場の人間関係が原因で辞めたいと思う看護師は少なくありません。
実際に、人間関係を理由に退職する看護師はたくさんいます。
看護師の職場の人間関係は、次の4つの理由があるためこじれやすいのです。
- 協力し合って働かなくてはいけない
- 行き過ぎた指導が行われやすい
- 圧倒的に女性が多い
- 仕事が激務で精神的な余裕がない
人間関係に悩んで退職するのは本当にもったいないです。
看護師が職場の面倒な人間関係をうまく乗り切るためには、次の8つのコツを実践しましょう。
- 愚痴をこぼせる同僚を見つける
- ジェネレーションギャップと割り切る
- 挨拶だけはきちんとする
- 同僚と無理に仲良くしようとしない
- いつもニコニコしておく
- 相手を否定し過ぎない
- 仕事ができる看護師を目指す
- プライベートを大切にする
人間関係をうまくやりすごしながら乗り切ることができれば、看護師の仕事を楽しいと感じることができますし、仕事へのモチベーションが上がることは間違いありません。
目次
1.看護師の職場の人間関係がこじれやすい理由
1-1.協力し合って働かなくてはいけない
1-2.行き過ぎた指導が行われやすい
1-3.圧倒的に女性が多い
1-4.仕事が激務で精神的な余裕がない
2.看護師が人間関係をうまく乗り切り辞めたいと思わずに済む8つのコツ
2-1.愚痴をこぼせる同僚を見つける
2-2.ジェネレーションギャップと割り切る
2-3.挨拶だけはきちんとする
2-4.同僚と無理に仲良くしようとしない
2-5.いつもニコニコしておく
2-6.相手を否定し過ぎない
2-7.仕事ができる看護師を目指す
2-8.プライベートを大切にする
まとめ
1.看護師の職場の人間関係がこじれやすい理由
photo: https://www.southwales.ac.uk
看護師は職場の人間関係に悩むことが多いです。
なぜ、看護師の人間関係はこじれやすいのか?その理由は、次の4つがあります。
- 協力し合って働かなくてはいけない
- 行き過ぎた指導が行われやすい
- 圧倒的に女性が多い
- 仕事が激務で精神的な余裕がない
この4つの理由があるため、看護師は人間関係に悩むことが多いのです。
1-1.協力し合って働かなくてはいけない
看護師は1人で働くことはできません。
同僚の看護師とお互いに協力し合いながら働かなくてはいけません。
常に協力し合い、お互いをフォローしながら働くと、どうしてもそれぞれの粗が見えやすくなるので、相手にマイナスの印象を持つことになり、人間関係がこじれやすくなります。
看護師の仕事は、患者さんの体位交換や移動介助、オムツ交換など1人ではできないことを、お互いに声を掛け合って協力し合って行います。
また、夜勤は看護師2〜3人の少人数で16時間以上の長時間を過ごさなくてはいけません。
そうすると、お互いの嫌な部分が見えやすくなり、「あの人は働かない」、「いつもさぼっている」などと感じやすくなるのです。
自分の仕事だけを黙々と行っていれば、他人のことなんてあまり気になりません。
しかし、看護師の仕事は協力し合いながら働くために、お互いのことが気になり、さらに嫌な面が見えてきてしまうため、人間関係が悪くなってしまうのです。
1-2.行き過ぎた指導が行われやすい
看護師の世界は、行き過ぎた指導が行われやすく、それがイジメや嫌がらせに発展することがあります。
看護師の仕事は患者さんの命を守ることです。
そのため、新人看護師がわからないまま適当に仕事をしていたり、何度も同じミスをしていると、先輩看護師は患者さんの命を守るために、そして新人看護師に責任を持ってもらうために、厳しく指導をすることがあります。
また、看護師の世界は体育会系の縦社会なので、優しく指導するよりも、厳しくズバッと指導することが多いです。
ただ、その指導傾向を先輩看護師が勘違いすると、後輩看護師への「指導」を自分の憂さ晴らしのために行うようになります。
そして、それはイジメにつながっていきます。
看護師の世界は、正しい指導ではなく、行き過ぎた指導、指導と称したイジメが日常的に行われやすいのです。
1-3.圧倒的に女性が多い
看護師は9割以上が女性です。
女性ばかりが多いと、ただそれだけで人間関係はこじれやすくなります。
看護師という職業は置いておいても、女性が3人集まれば、2対1に分かれて派閥ができることが多いですよね。
表面上は仲良くしていても、裏では2対1になっていることは少なくありません。
女性が多い看護師の職場は、「女性が多い」というだけで、人間関係がこじれやすいのです。
1-4.仕事が激務で精神的な余裕がない
看護師は仕事がとても忙しく、体力的にも精神的にもきついです。
そのため、他人を思いやったり、許したりする余裕がなく、ギスギスした雰囲気になることが多いです。
人間は心身の余裕がある時には、人に優しくできます。
他人のちょっとした失敗も許すことができますし、「まぁいいか」と流すことができます。
でも、追い込まれている時には、他人を許すことができず、つい文句を言ってしまったり、当たり散らしたりしてしまいます。
そのため、忙しい職場は、特に人間関係が悪い傾向があるのです。
2.看護師が人間関係をうまく乗り切り辞めたいと思わずに済む8つのコツ
看護師は人間関係をうまく乗り切ることができれば、辞めたいと思わずに、仕事へのモチベーションを保ちながら働くことができます。
看護師の面倒な人間関係をうまく乗り切るためには、次の8つのことを心がけましょう。
- 愚痴をこぼせる同僚を見つける
- ジェネレーションギャップと割り切る
- 挨拶だけはきちんとする
- 同僚と無理に仲良くしようとしない
- いつもニコニコしておく
- 相手を否定し過ぎない
- 仕事ができる看護師を目指す
- プライベートを大切にする
この8つを実践すれば、職場の同僚や、嫌な先輩看護師と適度な距離を保って、うまく付き合っていくことができるはずです。
どうせ働くなら、人間関係に悩んで「辞めたい」と思いながら働くのではなく、楽しく前向きに働きたいですよね。
2-1.愚痴をこぼせる同僚を見つける
看護師が人間関係で辞めたいと思わないためには、人間関係のストレスを溜め込まず、正直に愚痴をこぼして、適度にストレスを発散できるようにする必要があります。
そのために、仲が良く信頼できる同僚を見つけておくようにしましょう。
人間は本音で話したり、愚痴をこぼしたりすると、スッキリしてストレスを解消することができます。
愚痴をこぼす相手は、仕事に関係ない家族や恋人でも良いのですが、職場の状況がわかる人と愚痴を言い合ったほうが、お互いの愚痴に共感することができるので、よりストレスを解消できます。
同僚の中で気が合う人や仲良くなれそう人を探して、少しずつ距離を縮めていき、愚痴大会を開いてみてはいかがでしょうか?
2-2.ジェネレーションギャップと割り切る
先輩看護師から、行き過ぎた指導をされたり、グチグチ文句を言われることが多い場合、ジェネレーションギャップと割り切るようにすると、ストレスを感じにくくなります。
イジメではないけれど、嫌味を言われたり、必要以上に長い説教をされることはたくさんあると思います。
そういう場合、「今どきの若い子はこれだから困る」とか「私たちが新人の頃は〜」がお決まりのセリフではないでしょうか。
そういうことを言われたら
- 「世代が違うなぁ。こんなことを言う先輩は、すっかりおばさんなんだなぁ」
- 「昔は大変だったんですね〜。でも、そういう考え方って時代に合っていないんだけどなぁ」
などと考えて、割り切ってしまいましょう。
あなたと先輩の間にはジェネレーションギャップがあって、先輩はすっかりおばさん看護師なんです。
だから、若い子についつい嫌味を言ってしまうのです。
2-3.挨拶だけはきちんとする
人間関係に悩み、嫌いな同僚がいたとしても、挨拶だけはきちんとしておきましょう。
これは看護師だけでなく、社会人として、人間としての基本です。
挨拶は人間関係を円滑にしてくれるものです。
また、挨拶をしておけば、あなたは最低限のマナーを守っていますので、何かあった時でも、周囲の同僚や師長はあなたの味方をしてくれるでしょう。
嫌いな人にも
- 「おはようございます」
- 「お疲れさまでした」
- 「ありがとうございます」
- 「すみません」
- 「お先に失礼します」
これらの挨拶はしっかりしなければいけません。
たとえ、相手が挨拶を返してくれなくても、あなたは毎回しっかり挨拶をしておきましょう。
あなたがきちんと挨拶をしていることは、周りの人が見てくれています。
例えば、あなたがある先輩看護師から嫌味を言われたり、嫌がらせを受けているのに、あなたはきちんと挨拶をしている。
挨拶を返してくれず、無視されているのに、あなたはきちんと挨拶をしているとします。
それを続けていれば、ほかの先輩看護師は、あなたが仕事で困っている時に助け舟を出してくれたり、嫌がらせを受けている時にかばってくれたりするのです。
「こんな人に挨拶するなんて嫌だ」と思うかもしれませんが、挨拶は社会人としての基本ですし、ほかの先輩や同僚との人間関係を円滑にするためにも、挨拶だけはきちんとしておきましょう。
2-4.同僚と無理に仲良くしようとしない
看護師が人間関係で辞めたいと悩むケースの中には
- 職場の人と仲良くできない
- 職場で浮いた存在になってしまう
というものがあります。
でも、職場の同僚と無理に仲良くする必要はありません。
だから、「仲良くできない」と悩む必要はないのです。
あなたは、なぜその職場で働いているのですか?
友達を作るためですか?違いますよね。
看護師の仕事をするために、その職場で働いているのだと思います。
それなら、仕事をする上で、特に支障が出ていなければ、職場で浮いた存在になってしまっても、仲の良い人ができなくても良いのです。
仕事の人間関係が、あなたの人生の人間関係のすべてではありません。
むしろ、ごく一部です。
職場で友達を作る必要はありません。友達はプライベートで作れば良いんです。
だから、無理に仲良くしようとせずに、職場の人とは一定の距離を保つようにすると良いでしょう。
そうすると、職場の面倒な人間関係のいざこざに巻き込まれるリスクも少なくなりますので、リスクマネジメントになりますし、人間関係で辞めたいと思わずに済むのです。
2-5.いつもニコニコしておく
人間関係をうまく乗り切るためには、いつもニコニコしておきましょう。
人間はニコニコと笑顔でいるだけで、相手に好印象を与えることができますので、人間関係が円滑に進みやすくなるのです。
いつも仏頂面の人とニコニコしている人。
あなたは、どちらの人に話しかけたいと思いますか?もちろん、ニコニコしている人ですよね。
だから、いつも笑顔でいるように心がければ、それだけで人間関係がうまくいくことが多いのです。
患者さんとのコミュニケーションも取りやすくなるので、より良い看護にもつながります。
ただ、意地の悪い先輩がいると、あなたが笑顔でいると、「ヘラヘラしてる」と悪く言われることがあると思います。
そういう悪口は気にしないのが一番良いのですが、まずは挨拶の時だけ笑顔を作るようにするのも良いかもしれません。
2-6.相手を否定し過ぎない
看護師が人間関係を円滑に進む時には、相手を否定し過ぎないように気を付けましょう。
人間は否定されると、反発したくなりますし、ネガティブな感情を持ちます。
ですから、相手が間違っていたとしても、それを否定し過ぎず、1回認めてから自分の意見を言うようにしましょう。
看護師の仕事をしていると、看護観の違いから、同僚や先輩と意見が異なることが出てくると思います。
優先順位やケアの方法、看護計画で、意見がぶつかることがありますよね。
その時には、いくら相手が間違っていたとしても、正論を振りかざして、相手を正面から否定するのはおすすめできません。
正面から否定したら、たとえあなたが正しいとしても、相手はあなたに良い印象は抱きません。
そこから人間関係がこじれていく可能性は十分にあります。
そのため、意見がぶつかった時、相手が間違っている時には、
- 相手の意見をきちんと聞いて
- 相手の考えも認めた上で
- 自分の意見を述べたり、妥協案を探すようにしましょう。
2-7.仕事ができる看護師を目指す
人間関係で辞めたいと思わないためには、仕事ができる看護師を目指しましょう。
仕事ができる看護師になれば
- 先輩から嫌味を言われることも少なくなりますし
- 周囲の同僚からも一目置かれた存在になるので
- 面倒な人間関係のいざこざに巻き込まれずに済むのです。
仕事ができて、人間関係に悩むことがなければ、「辞めたい」と思うどころか、看護師の仕事の楽しさを感じることができるはずです。
だから、仕事ができる看護師になるために、積極的に研修や勉強会に参加したり、自分で勉強したり、看護技術を磨いたり、日々努力しましょう。
すぐには仕事ができる看護師になるのは難しいかもしれませんが、あなたの努力している姿は、誰かが必ず見ていてくれます。
今まで厳しかった先輩看護師も、あなたが仕事に真摯に取り組んで頑張っている姿を見れば、積極的に指導してくれたり、優しくフォローしてくれたりするかもしれません。
2-8.プライベートを大切にする
看護師が職場の面倒な人間関係をうまく乗り切るためには、プライベートを大切にしましょう。
プライベートが充実すれば、職場で多少嫌なことがあっても、仕事を辞めたいとまで思い悩むことはなくなります。
看護師は仕事が忙しいので、どうしてもプライベートがおろそかになりがちです。
家族との時間を確保できなかったり、友人と久しく連絡を取っていないなんてことはないですか?
仕事中心の生活になると、職場の人間関係に悩むことも増えますので、少し無理をしてでも、プライベートを充実させましょう。
- 疲れていても、家族との時間を大切にする
- 彼氏と頻繁に会うようにする
- 幼馴染や学生時代の友人と会ってリフレッシュする
- 趣味を作る
このようにプライベートを大切にして、仕事のことを考える時間を減らしていけば、心に余裕が生まれ、多少嫌なことも許せえますし、気にならなくなります。
まとめ
看護師の職場は人間関係が悪くなりやすいので、人間関係が原因で辞めたいと思うのは、ある意味仕方がないことです。
でも、人間関係が原因で辞めたいと悩むのは、とてももったいないと思いませんか?
人間関係をうまく乗り切る8つのポイントを実践すれば、人間関係で多少悩むことがあっても、辞めたいとまでは思わなくなるはずです。
人間関係の問題を解決できれば、より良い看護ができ、看護の仕事の楽しさを再発見できるはずです。
update: 2018/03/05
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